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来春、JR神戸線にできる新駅の駅名板のイメージ=10月2日、JR西日本神戸支社
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来春、JR神戸線にできる新駅の駅名板のイメージ=10月2日、JR西日本神戸支社
JR西日本(京阪神地区)の新駅名
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JR西日本(京阪神地区)の新駅名
JR西日本新駅の地図
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JR西日本新駅の地図

 来春、JR神戸線の灘-六甲道間に摩耶駅(神戸市灘区)が開業する。仮称では「まや」とひらがな表記だったが、今月の発表で漢字となった。摩耶山は太平記や与謝蕪村の俳句にも登場する由緒ある地名。JR西日本の京阪神地区では近年、柔らかで親しみやすいイメージを狙った“ひらがなブーム”があったが、漢字への回帰が見られる。(森 信弘)

 兵庫県内では、2005年「ひめじ別所」(JR神戸線)▽07年「さくら夙川」(同)▽08年「はりま勝原」(山陽線)-と、ひらがな混じりの新駅が続いた。08年には「雄琴」(湖西線)が「おごと温泉」に改称。この年は「おおさか東線」(放出-久宝寺)も開業した。

 「さくら夙川は、西宮市から親しみやすい駅名に、と要望があった」とJR西日本近畿統括本部。はりま勝原は、播磨高岡駅などがある姫新線の駅と誤解されるのを避ける意味もあった。

 摩耶駅は、近くの摩耶山などから命名。10年の仮称発表以降、利用客から「ひらがなはやめてほしい」と反対する声が同社に複数寄せられたという。

 同本部は「地元には摩耶山だけでなく摩耶埠頭(ふとう)、阪神高速の摩耶ランプ、摩耶小学校もある。地域に根付いた漢字を選んだ」と説明する。かつてあった「摩耶山城」は、太平記に合戦の舞台として登場した。与謝蕪村は「なのはなや 魔爺(摩耶)を下れば 日のくるゝ」と詠んだ。

 地元の小島實・灘南部自治会長(67)は「摩耶山には子どものころから登ってきた。漢字の方がしっくりする」と納得。インターネット上でも安易にひらがなにせず、漢字を採用したのを評価する声が目立つ。

 一方、JR神戸線に来春誕生するもう一つの新駅(御着-姫路間)は仮称通り「東姫路」に決まった。姫路市による駅名公募では2位だった。住所地の「市之郷」なども検討されたが、世界文化遺産・国宝姫路城との位置関係を分かりやすくしたかったという。

 同本部は「駅は公共的な存在。その名称は自分たちで勝手には決められず、難しい」とする。JR西が現在予定する新駅で、仮称がひらがなの駅はない。

       ◇◇◇◇◇

■駅名も文化遺産

【地域史に詳しい田辺眞人・園田学園女子大学名誉教授の話】駅名も含め、地名は形のない文化遺産。どんな地図でも地名をひらがなに直して書くことはない。駅名は特別難しくない限り、漢字を使うべきだ。漢字であっても荒唐無稽な4文字の駅名などは文化財の破壊につながる。金沢市など全国の自治体で古い地名を復活させる動きが広がっており、「摩耶」はこの文化的な動きにも符合する。

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