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神戸ルミナリエ
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神戸ルミナリエ
観光客でにぎわう北野の異人館街
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観光客でにぎわう北野の異人館街
神戸港の夜景
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神戸港の夜景

 自治体による特典合戦が過熱する「ふるさと納税」をめぐり、神戸市は2016年度、使い道を限定して寄付を募るスタイルを導入する。寄付金の充当先は、六甲山の整備▽開港150年を迎える神戸港関連の施策▽異人館など歴史的建造物の保全・改修-などを想定。神戸を離れた人々の郷愁も誘うようなメニューを用意し、“共感”で寄付を呼び込む作戦に転換する。(紺野大樹)

 生まれ故郷などの自治体に寄付すると税が軽減される同制度は08年にスタート。地域の魅力を発信し、財源も確保できるとして自治体からの人気も高く、寄付者への返礼品に高級牛肉やカニなどの特産品を用意する自治体が相次いでいる。

 神戸市も全国的な流れに乗り、それまで簡素だった返礼品を13年度に見直した。現在は寄付額によって「神戸牛すき焼きセット」(寄付金10万円以上)▽「オルゴールセット」(同5万円以上)-など約40種類を用意。14年度は約5100万円の寄付が集まった。

 だが、淡路ビーフや特産のタマネギを武器に年間3億円近くを集める淡路市、寄付額に対する返礼品額の割合「還元率」を5割程度に設定する兵庫県市川町など、県内市町でも激化する競争の中では劣勢。神戸市民が他の自治体に寄付したため、神戸市に入らなかった市民税は14年1年間で約1億9千万円に上った。

 一方、過剰な返礼品競争に批判の声も上がり始め、総務省が昨年4月、高額商品の提供自粛を自治体に要請。返礼品に頼らず、使途を明示することで賛同を得て、順調に寄付を集めている自治体もあることから、神戸市も方針転換を決めた。

 同市は現在、使途を検討中。近代建築やかやぶき民家など、歴史的建造物の保全・活用▽神戸ルミナリエなどイベントの開催支援▽若手芸術家の育成▽若者の起業支援-なども含め、多彩なメニューを想定している。

 返礼品は10種類程度に減らし、寄付を受けた事業に関連する記念品などにする方針。同市の担当者は「地域資源を生かした施策や人材育成に活用できるように、寄付を充てるメニューは神戸らしいものを並べたい」としている。

【各自治体“特典合戦”に対抗も】

 豪華な返礼品が話題となって盛り上がる「ふるさと納税」。一方で、寄付の使い道を明確にしたり、特定のプロジェクトを支援したりする動きも目立ち始めている。

 兵庫県は2014年度から使途を明示。15年度は、小児筋電義手バンクへの支援▽神戸ルミナリエの開催支援▽神戸マラソンの開催支援-など6事業(1事業は既に募集終了)で募集している。

 また、特定のプロジェクトを支援するケースでは、広島県神石高原町が、犬の殺処分ゼロを目指して保護施設を拡大する地元NPOへの補助を掲げて寄付を募集。昨年9月から約3カ月で、目標の2倍以上の約2億5千万円を集めた。

 ほかにも、夏のイベントで一尺玉の花火を打ち上げる(和歌山県橋本市)▽オリンピック選手らを数多く輩出してきた「白馬高校魅力化プロジェクト」(長野県白馬村)-など多彩だ。

 ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」の担当者は「使い道を見て寄付する自治体を選ぶ利用者も増えている」と話す。

 【ふるさと納税】 出身地など応援したい自治体に寄付すると、2千円を超える分が在住地の住民税などから減額される制度。都会への税収の偏りを是正する目的で、2008年に創設された。昨年4月から減税対象となる寄付額の上限が約2倍になり、サラリーマン世帯は年間の寄付先が5自治体までなら確定申告が不要になった。

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