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逆転勝訴判決を受け、夫佐開さんの遺影を前に涙をこらえる原告の丸本津枝美さん=大阪司法記者クラブ
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逆転勝訴判決を受け、夫佐開さんの遺影を前に涙をこらえる原告の丸本津枝美さん=大阪司法記者クラブ

 川崎重工業神戸工場で働いていた夫が肺がんで死亡したのは、職場でアスベスト(石綿)を吸い込んだのが原因とし、妻が労災を認めなかった労働基準監督署の処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が28日、大阪高裁であり、石井寛明裁判長は一審を覆し労災を認める判決を言い渡した。石綿労災は職歴と医学的所見で判断されるが、裁判長は石綿が飛散する職場で24年以上勤務した職歴を重視。医学的所見が労災の壁となるケースもあるため、妻側は「労災の認定基準を実質的に広げた」と評価している。

 神戸市西区、丸本佐開(さかい)さん=死亡当時(66)=は、川崎重工業で船体の組み立てなどに従事し、2002年に肺がんと診断され、翌年死亡。妻の津枝美(つえみ)さん(72)が神戸東労基署に労災の遺族補償給付を請求したが、06年に不支給とされた。

 肺がんが労災認定されるには、10年以上石綿を吸い込む業務に従事し、肺の中に「胸膜プラーク」と呼ばれる病変が確認されるなど医学的所見が必要。佐開さんは10年以上の勤務歴はあったが、労基署に胸膜プラークがないと判断されていた。

 石井裁判長は24年以上の長期間にわたって石綿を吸い込む可能性がある神戸工場で勤務していたことを重視。工場内診療所の看護師が石綿特有のがん、中皮腫で死亡したり、佐開さんと同じ課の従業員が石綿疾病として労災認定されていることなどを挙げ、佐開さんが吸い込んだ石綿について「肺内に胸膜プラークを形成するのに十分。国の基準を満たす場合に準ずる」として労災を認めた。

 実際にプラークがあったかどうかは明確に判断しなかった。

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