社会社会shakai

  • 印刷
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT
日中の漢字の違いが分かる本を出版した伊奈垣圭映さん(右)と妹でイラストを担当した陣条和榮さん=神戸市中央区(撮影・田中靖浩)
拡大
日中の漢字の違いが分かる本を出版した伊奈垣圭映さん(右)と妹でイラストを担当した陣条和榮さん=神戸市中央区(撮影・田中靖浩)
拡大

 似ているようで微妙に違う日本と中国の漢字。この認識の差を埋めるため、小学校講師を務める華僑5世の女性が「ちがいがわかる対照表 日本の漢字 中国の漢字」を自費出版した。小中学校で学ぶ常用漢字2136字をすべてカバー。中国人の子どもや日本の教師のほか、中国人観光客を迎える店にも役立つという。

 兵庫県の芦屋市立岩園小学校講師の伊奈垣圭映(いながきよしえ)(旧名・梁佳惠)さん(54)=神戸市中央区。神戸中華同文学校(神戸市中央区)をはじめ、中国の子どもが多く通う学校で教壇に立ってきた。

 その中で長年気になっていたのが、漢字の違いによる中国の子どもらの困惑。テストで正しい漢字を書いたつもりでも日本の常用漢字と異なるため、間違いとされるケースが相次いでいたという。

 漢字は台湾で使われる「繁体字」、現代の中国で使われる「簡体字」、日本の「常用漢字」がある。3種類が同じ形の場合もあれば、それぞれ異なる場合もある。

 たとえば「戸」の字。簡体字では「〓(1)」、繁体字では「〓(2)」となるが、日本のテストでは「戸」以外は間違いとなる。「ハネ」の有無や「点」の角度などの違いについて、多くの教師が「書き方を間違えている」で済ましてしまっているという。

 自身も幼少時、漢字の違いに悩まされた伊奈垣さん。5年前、小学校の常用漢字と繁体字、簡体字の対照表を手書きでまとめた。これが他校にも広がり、約30校にコピーを配布。知人から勧められ、神戸市長田区の水山産業出版部に相談し、昨年12月、出版にこぎつけた。

 小1~中3の常用漢字を学年ごとに分けて掲載。3種類とも形が同じ場合は黒色、異なる場合はそれぞれ朱色で文字を表現。挿絵は、妹でイラストレーターの陣条和榮さんが担当した。

 伊奈垣さんは「中国の子どもも日本人の教師も、違いが分かればスムーズに学習できるはず。いろいろな場面で活用してもらえれば」と話している。

 A5判304ページ。2160円。ジュンク堂書店三宮店などで買える。同店TEL078・392・1001(岡西篤志)

(注)〓(1)は「戸」の簡体字

(注)〓(2)は「戸」の繁体字

社会の最新

天気(12月6日)

  • 14℃
  • 12℃
  • 20%

  • 11℃
  • 7℃
  • 60%

  • 14℃
  • 12℃
  • 20%

  • 13℃
  • 8℃
  • 20%

お知らせ