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姫路市の緊急通報システム「安心コール」で高齢者に貸与される通報機器
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 高齢者らが急病時、電話やボタンで消防などに異常を知らせる自治体の「緊急通報システム」で、市町によって利用対象にばらつきが出ている。65歳以上の高齢者に限定する兵庫県姫路市では、脳性まひなどの障害や重い疾患がある64歳の男性が年齢を理由に拒まれた。同様の利用条件を設けながらも、首長らの裁量でより柔軟に運用する自治体もある。(金 旻革)

 同システムは1980年代後半から全国の自治体に普及、兵庫県内でも広く運用されている。

 姫路市も90年に同システムの「安心コール」制度を創設。市が貸与したペンダント型の無線発信器を押すと、市消防局に異常を知らせる。利用対象は65歳以上で1人暮らしか、同居者が寝たきりなどの世帯。同市によると現在、約1500世帯に機器を貸している。

 昨年秋、同市内の男性(64)は介護を頼っていた妻(67)にがんが見つかり、長期入院することになったため利用を申し込んだ。脳性まひがあり、背骨が湾曲する側彎症(そくわんしょう)などで自力で寝返りも打てない。

 だが、同市は「65歳未満で、恒常的に独居ともいえない」と回答。日中はヘルパーを利用するものの、夜間は市内の事業者に空きがなく、一人きりとなる男性は「不条理ではないか」と憤る。

 これに対し、同市高齢者支援課は「そもそも(65歳以上の)高齢者福祉を念頭に始まった施策」と年齢にこだわる理由を説明。「障害のある人にニーズがあるなら、まず(障害者の)担当部署で検討が必要」と“例外”的な運用に慎重だ。

 一方、「65歳以上」「独居」を利用条件に定めながら、弾力的に運用する自治体も。

 芦屋市は「原則65歳以上」とするが「60~64歳でも要介護認定を受けていたり、医師が虚弱と判断したりすれば貸与できる」。小野市は疾患の程度などから職員が必要性を判断し、2年前には63歳の男性に貸与を決めたケースもあったという。

 西脇市は事業の実施要綱に「首長が認める場合」とあり、「支援が必要な人には間口を広げて対応できる」。篠山市も同様の規定がある。姫路市の実施要綱には、首長の裁量に関する規定はないという。

【年齢理由に制限は酷 神戸学院大現代社会学部の前田拓也准教授(障害学)の話】 姫路市が年齢を理由に緊急通報システムの利用を制限するのは、あまりに酷ではないか。システムの利用を高齢者に限定するのなら、手助けを必要とする障害者が24時間介護を受けられる環境を整えるべきだ。

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