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初入港するクァンタム・オブ・ザ・シーズ
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初入港するクァンタム・オブ・ザ・シーズ
神戸港に降り立った中国人の乗客=いずれも17日、神戸港(撮影・大森 武)
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神戸港に降り立った中国人の乗客=いずれも17日、神戸港(撮影・大森 武)

 アジア最大の客船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」(16万8666トン)が17日に神戸港に初入港した際、ツアー用のバス約100台が岸壁に並び、港は中国人観光客で活気づいたが、大半は大阪に流れ、地元で期待された特需はなかった。ただ、訪日中国人観光客の消費動向には変化も見られるといい、今後も外国客船の入港が相次ぐ中、商業施設などは新たな客層の呼び込みに力を入れる。(安藤文暁)

 六甲山、大阪城公園、心斎橋…。

 神戸市が旅行代理店からツアーの行き先を知らされたのは入港1週間前。当日、乗客約4500人の9割近い中国人観光客はバスで神戸市街を素通りし、六甲ガーデンテラス(同市灘区)に立ち寄った後、大阪へ向かった。

 アーケードを垂れ幕で飾り、商店主を対象に集客の講習会を開くなど歓迎準備をしてきた元町、三宮の商店街は肩透かしをくらった格好だ。

 だが大丸神戸店(同市中央区)の担当者は「予想通り」と冷静だ。「インバウンド(訪日外国人観光客)の比率は大阪、神戸で10対1。中国では東京、大阪のコースが定番となっており、急には変わらない」

 りそな総合研究所も、関西の訪日外国人客は8割が大阪府と京都に集中し、兵庫県の2014年消費額は431億円で大阪府の16%にとどまる-との試算を明らかにしている。

 とはいえ、日本を再訪する中国人らが増えつつある中、「爆買い」だけではない消費動向の兆しもある。

 大丸神戸店は「グルメや観光を個人で楽しみ、買い物も規格品ではなく、こだわりの品を求めて来店する中国人客は増加傾向にある」と指摘。「富裕層をはじめ、旅慣れた『訪日リピーター』という新たな客層が鍵になってきた」と話す。

 

 【モノから体験へ需要変化】

 訪日中国人観光客らの心をどうつかむのか。昨年12月にその実情を調べた著書「『爆買い』後、彼らはどこに向かうのか?」(プレジデント社)を出版したジャーナリストの中島恵さんは「モノ」から、日本でしかできない体験への移行を指摘する。

 美容室・エステティックサロン巡りや漫画・アニメ舞台の巡礼、プロポーズの設定、電車で各駅停車の旅…。

 「SNS(会員制交流サイト)を頼りにあらゆる体験を求める「日本オタク」が急増している。神戸ならではの通な情報を発信することで勝機が生まれる」

 日本銀行神戸支店は、国内外の客船の寄港による2012年の県内経済効果を36億円と試算。訪日外国人観光客を追い風に、外国客船は14年が32隻、15年は42隻と2年連続で過去最多を更新する。

 神戸市は昨年から市職員が中国の上海、北京に赴き、旅行会社を対象に市の名所や物産をPR。現地での需要把握も検討している。

 客船を誘致する同市みなと総局は「今回は素通りでも、六甲山頂から市街を望んだ人に『次は神戸に』と思ってもらえれば。もてなしや観光メニューも充実させ、街の魅力をさらに磨く必要がある」とする。

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