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よふど温泉の婚活イベントのチラシ。親などの勧めで参加する人も多い=朝来市山東町楽音寺
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よふど温泉の婚活イベントのチラシ。親などの勧めで参加する人も多い=朝来市山東町楽音寺

 「多少強引になって失礼かも分かりませんけど、僕らもガンガンいきますよ」

 兵庫県朝来市山東町森のよふど温泉で開かれる婚活イベントの冒頭。参加男女の緊張がまだ解けきらない中、市山東支所地域振興課課長補佐の白髭徹さん(48)は断りを入れる。

 まず男女各20人がそれぞれ輪になって向き合い、順番に一対一で自己紹介。その後の第一印象で2人を選ぶ「インスピレーション投票」結果が手元に来れば、白髭さんの行動開始だ。「あの人が話したいみたいやけど、どうや」。タイミングを見ながらささやく。

 「控えめな性格の参加者が多い。後押ししてあげないと」と白髭さん。「おせっかいおじさん」を自認する。

    ◇

 よふど温泉の婚活イベントは結婚したカップルの多さを売りにする。粟鹿神社での良縁祈願、屋外でのバーベキュー、道の駅「但馬のまほろば」での買い物と、市内を移動しながら企画は朝から夕方まで盛りだくさんだ。市職員以外にも地元ボランティアの60、70代の男性ら「温泉サポートクラブ」が参加者をフォロー。これまで10回で7組が結婚し、2014年だけで3組が夫婦になった。

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 14年のイベントで出会い昨年結婚した近藤陽介さん(39)、葉子さん(31)=いずれも仮名=は、神社からのバス移動で親しくなった。ここにも主催者の仕掛けがある。先に窓側に座るのは女性。隣には後から男性が座る。目的地までの十数分、2人きりで話せるチャンスを演出する。

 婚活イベント初参加だった葉子さんは「食事と場所だけ提供して『後はご自由に』っていうイメージがあったけど、全然違った」。陽介さんも「その後もサポートがあるし、安心感があったよね」とうなずく。

 2人の元に温泉から電話があったのは、交際を始めてしばらくたってから。「その後はどうですか?…」

 声の主はスタッフの1人で温泉運営管理組合理事長の松本泰明さん(72)。「女性と接するのが苦手な男性もいますから」と成立したカップルを気に掛ける。カップルになれなくても「もう一度会いたい」と相談があれば、できる限り取り次ぐ。参加者への気遣いから後に連絡を取るイベントはまれという。

 松本さんには幸せな思い出がある。イベントから数年後、赤ちゃんを抱いて温泉に来てくれたカップルがいた。「こんなにうれしいことはない。まあ生きがいの一種ですわね」

 かつては地域などに世話を焼く住民がいて、お見合いを仲介していた。実はそのお見合い、今も健在という。

(長谷部崇)

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