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6月25日。阪神の久万俊二郎オーナーの言葉はとがっていた。「あれは横暴ですよ。わがままですよ」。合併するオリックスと近鉄が要望したダブルフランチャイズ制に対する発言。オーナーはさらに続けた。「協約を破ってもいいのか」 野球協約が定める保護地域では野球に関する利益が守られる。昨夏、阪神から許可を得た旅行会社が埼玉県内の大型スクリーンで阪神―巨人戦を中継しようとした際、同県を保護地域とする西武が反発したのが顕著な例だ。ただ、相手球団の同意を得れば支障は少なく、実際はさほど拘束力はない。それでも、阪神は2本拠地制に抵抗した。 阪神のファン層は大阪を中心に関西全体に広がる。1960年までの球団名は「大阪タイガース」。今も、高校野球期間中は大阪ドームで主催試合を行い、昨年の御堂筋パレードでは約40万人を集めた。甲子園は西宮市に位置するが、「関西」の球団としての色が強い。 25日の会見で阪神の野崎勝義球団社長はこう述べた。「(新球団が)具体的に何をしたいのか分からないが、(大阪ドームの使用、御堂筋パレードなど)今までやってきたことは認めてほしい」。オリックス主導の新球団誕生で生じる「障壁」を懸念する節もあった。 結果的に双方が歩み寄り、3年間の期限付きで2本拠地制は容認された。阪神にも兵庫、大阪の2カ所が認められた。野崎球団社長は「(新球団と)同じ形で発足するので合意した」と説明。「既得権益」が守られた阪神はあっさりと矛を収めた。 暫定措置後についてオリックスの小泉隆司球団社長は「(兵庫、大阪の)どちらに絞るかは今は分からない」。一方、野崎球団社長は「甲子園に本拠を置いている限り、移すことは考えていない。兵庫以外、考えられない」と断言する。 「1リーグ制移行」「2軍の本拠地構想」をにらみ、各球団の本拠地への意識は流動的だ。オリックスファンは本拠地・神戸を訴え、近鉄ファンは大阪ドームに愛着を持つ。甲子園を背に阪神は「関西の盟主」としての存在感を示したい。 タイムリミットは3年。再編後の構図を巡る「陣取り合戦」が熱を帯びる。 (球団合併問題取材班) <保護地域> 本拠地を「地域権」と規定する野球協約第37条で、「試合開催をはじめ、野球関連のすべての利益が保護される」と定めている。各球団は本拠地球場のある都道府県を保護地域とし、現状は1球団1都道府県。他球団の保護地域で野球に関する行事を行う場合、その球団の同意を得なければならない。 阪神が昨年行った大阪・御堂筋での優勝パレードや大阪ドームでの試合は、ともに大阪府を保護地域とする近鉄の了承を得ている。だが、保護地域もあいまいな点があり、セ・リーグのアグリーメント(運用規定)では、阪神の保護地域は兵庫県だが、その主要駅は大阪駅となっている。 |
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