構造改革特区 淡路から3構想名乗り

   2003/04/04

 カネのかからない景気振興策という。国が規制を緩和し、鳴り物入りで打ち出した「構造改革特区」。1日から全国で受け付けが始まり、淡路島からは3つの地域が名乗りを上げた。自治体の中には巨額の資金をつぎ込みながら、活用しきれていない用地や設備もある。「特区」を「渡りに船」とばかり、それらをよみがえらせようという胸算用が透けて見える。(津名支局 直江 純)

遊休地の解消・IT企業誘致・風力発電促進/地域活性化へ胸算用

 兵庫県と津名郡淡路、東浦、北淡の三町が申請した「自然産業特区」。三町にまたがる丘陵地に、「北淡路国営パイロット農地」が広がる。四百八十ヘクタール。甲子園球場百二十個分に相当する。

 国や県は一九六四年から、北淡路で温州ミカンを栽培しようと、総額百七十億円をかけて山林を開拓した。しかし、相場暴落やオレンジの輸入自由化で大半の農家が栽培を休止し、四割の農地が荒れ地になっている。

 「大規模プロジェクトは無理でも、遊んでいる土地を減らしたい」。県はそれまでの方針を転換し、淡路町が計画していた市民農園構想を特区提案の理由に掲げた。

 近くには、明石海峡大橋を眺望できる「あわじ花さじき」や県立淡路景観園芸学校などがある。同町は「日帰り型農園から始め、ゆくゆくは宿泊型、定住型へと発展させたい」と話す。

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 洲本市は情報技術(IT)の流れに乗り、「ITベンチャー育成特区」を申請した。市内全域に張り巡らせたケーブルテレビ(CATV)網を民間に安く開放。アイデアはあっても、資金に乏しいベンチャー企業の誘致をめざす。

 同市がCATV網を敷設したのは三年前。要した額は三十五億円に上る。インターネットにも利用でき、「月二千五百円で使い放題」は当時、島内他町にとってあこがれの的だった。

 しかし、ITの世界は日進月歩だ。昨年から島内でも、電話回線で高速通信できるADSL(非対称デジタル加入者線)がにわかに普及。通信速度はCATVの二―二十倍と速く、料金もそれほど変わらない。

 「ADSLとの競争は、市直営ではもはや不可能」と同市情報課。専門知識を備えた業者を誘致できれば、CATVでも最先端サービスを提供できる余地はある。「マイクロソフトのような新たな産業が生まれるかもしれない」と期待する。

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 淡路島の最南端に位置する三原郡南淡町。国立公園内でも風力発電所を建設できるよう、国に規制緩和を提案した。名付けて「自然エネルギー推進特区」。

 同町はこれまで、風が強い大鳴門橋付近や沼島などでの風車建設を検討してきたが、いずれも瀬戸内海国立公園内だったため断念。三月末に、公園の“網”から外れた丘陵地に待望の第一号機を完成させた。

 建設費は約四億二千五百万円。うち約一億八千二百万円は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から補助を受けた。環境省も風力発電に限り、公園内での工事を認める意向を示している。

 「将来は風力で、(郡四町合併後の)新市の家庭で使う電力をすべてまかなえれば」。森紘一町長はさらに続けた。「小さな自治体が、県や国から財政面で自立するきっかけにしたい」


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