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| 遠い正社員の道 景気回復、若者に恩恵なし |
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2006/05/24
採用1カ月余りで解雇の例も ■問われる経営モラル 「事情があり、あなた方をこれ以上雇い続けることはできません」 神戸市灘区の男性(23)は、社長の言葉が今も忘れられない。 二月上旬、西宮市内の不動産会社に正社員として就職。高校卒業後、引っ越しのアルバイトの傍ら求職活動を続け、やっとつかんだ正社員の座だった。主な仕事はモデルルームでの接客や街頭でのチラシ配布。「早く仕事を覚えようと必死だった」。 解雇を通告されたのは三月二十日。会議室に集められた新入社員七人に理由は一切示されず、私物をまとめて退去させられた。 「解雇されるような就業違反はしていない」と一人が尼崎市の地域労組「武庫川ユニオン」に駆け込んだ。 「解雇の相談は絶えないが、こんな悪質なケースは聞いたことがない」と武庫川ユニオン書記長の小西純一郎さん。「まるで使い捨て。経営者のモラルはどうなってるのか」と憤る。 男性ら六人は四月に組合を結成、交渉を申し入れた。会社側は解雇予告手当を振り込んだ後は、直接の話し合いを拒んでいる。 ■フリーター減も 正社員の採用抑制に伴い、増加の一途だったパートやアルバイトの数が、景気回復で減少に転じた。団塊世代の退職も重なり、数年前は氷河期と称された新卒の就職戦線は一変して売り手市場となった。 その一方で、契約、派遣社員などの非正社員も増えている。十年間でほぼ一・五倍、二〇〇五年までの三年間で四十四万人増えた。非正社員は賃金で正社員の六割という数字もあり、不安定な生活を強いられる。 武庫川ユニオンが派遣社員らを対象に実施した相談でも目立ったのは若年層。「派遣社員を十年続けているが、将来が不安」「正社員との人間関係で悩んでいる」「派遣先から急に辞めるよう求められた」と切実な内容だ。 契約や派遣社員らの有期雇用については、契約期間満了という形で、事実上理由なく“解雇”される。「三カ月などの更新のたびに簡単に首が切られる。派遣会社に気を使って、働く側は悪条件でも文句が言えない」と小西さんは指摘する。 ■正社員拡大を 国は〇三年、「若者自立・挑戦プラン」を作成。就労支援に本腰を入れ始めた。その一つが適正判断やカウンセリングなどを一カ所で担うジョブカフェ。兵庫県では、県独自の施策を盛り込んだ「若者しごと倶楽部」が神戸市内で運営され、六月には尼崎、加古川両市にサテライトが開設される。 正社員を目指す若者を支援する試みだが、受け皿となる企業が新卒採用以外にも正社員枠を大幅に増やさない限り、五十二万人ともいわれるニート(十五―三十四歳)、二百万人ものフリーターの就労は事実上困難。 「経営者団体に正社員枠の拡大を求めている」(県しごと支援課)ものの、景気変動に対応したいという企業の思惑もあり、急激な採用増は難しいようだ。 [ NEWS&ニュースTOP ] |
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