オリックス 08年以降も神戸で20試合 相乗効果狙う

   2006/11/09

 プロ野球オリックスが、合併に伴う特例措置として認められている兵庫と大阪の両本拠地制(ダブルフランチャイズ)の期限が切れる2008年以降も、神戸で20試合程度を開催したい意向を表明した。オリックスグループは今年、旧近鉄が本拠としていたドーム球場を買収し、大阪への完全移転もささやかれていた。それだけに球団が主催試合の約3割を残す姿勢をみせたことは、兵庫のファンにとってもうれしい驚きだった。球団は、今後の集客戦略をどう描くのか、思惑を探った。(運動部・伊丹昭史)

スカイマーク 家族連れ中心/京セラドーム 仕事帰り便利

声援をおくるオリックスファン。来シーズンも22試合が神戸で開催される=今年9月27日、神戸市須磨区、神戸スカイマークスタジアム(撮影・宮路博志)

 オリックスは合併で〇五年から三年間、兵庫と大阪のダブルフランチャイズ制を認められた。ここ二年はスカイマークスタジアム(神戸市須磨区)と京セラドーム大阪でほぼ同じ年間三十数試合をそれぞれ戦った。今年六月にオリックスグループが同ドームを買収し、その稼働率を上げるため、主催試合の大半が大阪に移り、神戸は年間数試合になるとの見方もあった。

 しかし、十月に発表された来季試合数は神戸二十二試合、大阪四十八試合。大阪シフトが加速するのは〇八年以降かとみられたが、神戸には今後も二十試合程度を残す考えを表明した。

 機谷俊夫球団取締役は「最初から(神戸の試合数を)そんなに少なくする気はなかった」と話す。ただ、神戸側の後援会やシーズンシートの顧客からは「『意外に多い』との声がほとんどだった」と苦笑する。

 一九九一年の神戸移転以来、オリックスは「市民球団」をうたい、野球教室などの積極的なコミュニティー活動で地元密着を図ってきた。だが観客動員は思うように伸びず、赤字は年間三十―四十億円に上っていた。

 だが、根強いファンは無視できない。一試合平均入場者数は昨年の約二万一千人から今年は約一万九千人となったが、減少幅はわずか。今季全主催試合で取ったアンケートではスカイマークスタジアムの評価を「悪い」とした回答はゼロ。「球場への満足度も高い」と球団担当者は話す。

 生き残りをかけた近鉄との合併は、「神戸」「大阪」を合わせた「関西」への市場拡大が狙い。「今は一市だけで球団経営は成り立たない。日本ハムは北海道、楽天も東北、ソフトバンクも九州全体を巻き込んでいる」と球団関係者。神戸完全撤退の議論は、球団内になかったという。

 アンケートでは、両球場の客層の違いも明らかになり、両立の可能性が見えた。大阪はオフィス街から近く、仕事帰りの人が中心。一方の神戸は、平日のナイターでは球場から三十分以内に住む家族連れらが半数を占め、アクセス面の不便さを反映。平日は大阪に分があるが、週末の開催には神戸が適していた。

 球団は、来年三月末で切れる同スタジアムの管理許可の更新を神戸市と交渉中。年間指定席も引き続き販売する。「神戸、大阪全体でどれだけファンの規模を拡大できるかが大切。さまざまなシミュレーションから数字をはじいた」と機谷取締役は説明する。

 ただ、神戸の試合数が減る影響が懸念されている。同スタジアムの観客からは「神戸のファンは相当減る」と危ぶむ声も聞かれ、〇八年以降の試合数も不透明な部分が残る。「実際にやってみないと分からないことも多い。これでいいという正解はない」と同取締役。合併を起爆剤に市場拡大を描く球団の試行錯誤は続く。


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