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女性に多く発症する膠原(こうげん)病。関節がはれて炎症を起こす関節リウマチ(RA)や、皮膚に紅斑ができて臓器に障害が出る難病、全身性エリテマトーデス(SLE)に代表される病気の総称だが、原因は分かっていない。
塩澤俊一・神戸大学医学部教授は、RAの遺伝子を世界で初めて発見したグループの中心的メンバーで、膠原病の原因究明と治療薬の開発に打ち込んでいる。 幼いころ、親類がSLEで入退院を繰り返し苦しむ姿を目にした。当時はまだ研究が進んでおらず、病名の診断もついていなかった。SLEと分かったのは、発病から数年後。「この病気で苦しんでいる人を治したい」と小学生のとき、医者になることを決意した。 神戸大学医学部を卒業後、同大大学院に進学。膠原病について最先端の研究をしていたアメリカ・テキサス大学にも二年間留学した。卒業後は、神戸大医学部付属病院などで診察をしながら膠原病の解明に挑んでいる。 研究の大きな成果が表れたのは一九九二年。炎症を引き起こす物質「炎症性サイトカイン」をつくる特定の遺伝子の作用がRAの患者は強いため、関節破壊を進行させていることを見いだした。 そして今年、その遺伝子の作用を抑える新しい治療薬を開発した。 現在、最も強力なRAの治療薬でも、一種類の炎症性サイトカインにしか効き目がなく、しかも点滴で注入している。 新薬は、関節リウマチの悪化にかかわる三種類の炎症性サイトカインすべてを抑えることが期待できるうえ、経口薬なので、患者の経済的な負担も軽くなるという。来年から、治験が始まる予定だ。 さらに三年前、RAの原因につながる三つの遺伝子も発見した。これらの遺伝子に対する治療も研究しており、確立すれば、予防できる可能性もある。RAの解明は着実に進んでおり、膠原病全体の原因究明にも一歩一歩近づいている。 研究に打ち込む一方、「生涯、一医師として、患者一人ひとりの悩みに向かい合っていきたい」と臨床にも力を注ぐ。 数年前、交通事故でひざを骨折し、手術をした。患者になって、医師としての自らの立場を振り返ると、まだまだ患者のことを十分に理解していない点があったと気付いた。そのせいか、「最近は患者さんが気を許してちょっとした愚痴をこぼしてくれるようになった」と顔をほころばせる。 大学の一つ後輩で、甲南病院加古川病院副院長の妻の和子さん(52)も膠原病とRAの専門医。研究や治療の話をすることもしばしばある。最近は趣味でフランス語に凝っているという。 「気分転換? 通勤中に、録音したフランス語を聞くことかな。小説も読めるようになりました」 (佐藤由里) |
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