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小原流の精神ほうふつ
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| 傾斜した地形を生かして建つ豊雲記念館=神戸市東灘区住吉山手4 |
阪急御影駅から北へ、六甲山ろくの坂道を登る。その建物は、紅葉した木々たちに囲まれ、自然に溶け込むように存在する。透かし模様が入った茶色の陶製ブロックが一面に配置され、視線を上げると、屋根が波打っている。
豊雲記念館。生け花「小原流」の三世家元、故小原豊雲氏が収集した南米アンデスの染織品や土器、東南アジアの民俗資料を展示している。
豊雲氏と交流があり、少年時代を神戸で過ごした著名な建築家、故清家清氏が設計した。傾斜地に合わせて建てられ、工事の際に出てきた巨大な御影石を壁や塀にそのまま利用した。
自然を愛し、自然と対話しながら生み出される生け花の芸術。記念館は、生け花の精神と合致した建物ともいえる。
春と秋の年二回、内部が一般公開される。陶製ブロックの内側には窓があり、ブロックの透かしを通った光が、室内をやわらかく覆う。
圧巻は壁に積み上げられた御影石。展示室に立つと、御影石と波形の天井、光、アンデスの遺物に囲まれ、静かな時間の流れを感じる。
豊雲記念館のすぐそばには、屋上庭園がある「家元会館」や、三世の旧宅「九重坂の家」もある。約一万平方メートルの敷地に並ぶ施設すべてが清家氏の設計で、「小原流コンプレックス」と呼ばれる。
豊雲氏は阪神・淡路大震災の年に亡くなり、現在は大学一年の小原宏貴氏(18)が五世家元として小原流を率いる。創流百十一年。国内外に支部があり、習う人は約百万人に上る。御影の地は、その小原流のメッカといわれる。
設計した清家氏も、二〇〇五年にこの世を去った。今、若い建築家や学生らが次々と見学に訪れる。小原流事業部の植田昌利さん(43)は語る。「文化遺産として、この建物を後世に残していきたい」
記事・中島 摩子
写真・三津山朋彦
| データ
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★完成 1970年
★設計 清家清
★構造 地下1階、地上3階、鉄筋コンクリート造
★問い合わせ 小原流総務部TEL078・856・0037 |
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