それでも、選ぶ −2007ひょうご統一地方選

6.ネット無党派 (2007/03/28)

少ない地方議員の情報

昼夜を問わずにぎわうネットカフェ。個人≠ェ社会へ、政治へとつながる=神戸市内(撮影・山口 登)

 丹波市山南町で恐竜の化石発見―。年明け、同町で生まれ育った「寺(てら)古(こ)屋(や)さん」(43)=インターネット上のニックネーム=のもとにビッグニュースが飛び込んだ。

 「まちのよさをPRするチャンス」。そう感じて、まず手を付けたのが、ブログ(日記風ホームページ)「丹波竜の館」の立ち上げだった。

 現場に出向き、発掘状況や住民の動きを細かく掲載した。「恐竜、見に行くよ」「沖縄県民です。ニュースを楽しみにしてます」。全国からメールが届くようになった。二カ月でアクセスは六千件を超えた。

 町内に同志も見つかり、話し込む。「特産品をブランド化して、インターネットで売れへんかな」。お酒やハムなど、通信販売する新商品の開発に協力してくれる地元企業も出てきた。

 「ネットなら、少ない投資で多くの人に直接伝えられる」と寺古屋さん。まちおこしに最適なツール(道具)だと実感している。

 姫路市の会社員三木大三さん(43)は「ひめナビブログ」で毎日、地元の話題を発信している。昨年九月、靖国神社参拝を続ける兵庫県選出の衆院議員のブログを見つけた。試しにコメントを送ってみた。

 「公式参拝ですか? 私的参拝ですか?」

 ブログ上で、議員との公開のやり取りが始まった。

 議員「どんな人間も公的な面と私的な面を持っているはず。信念のもと、参拝している」

 三木「私は特定の政党や宗教に拘束されません」

 この議員には会ったことがない。しかし、直接“対話”したことで、考え方や人となりも分かったような気がした。だから、「選挙でもっとネットを活用できたらいいのに」と思う。

 ひめナビブログでは、新聞や自治体などのホームページからも情報を集める。大抵の動きは追えるが、ネタが少ないジャンルが一つある。地方議員の情報だ。

 「僕は無党派。選挙ごとに判断基準もばらばら。だからこそ、政策や人物について情報がほしいのに…」

 地域の情報がネットにあふれる時代。だが、公職選挙法は、政党や議員が選挙期間中にホームページを更新することを禁じている。

 全国の選挙や議員情報を集めたサイト「ザ・選挙」を昨年夏に開設した日本インターネット新聞社の編集部は「行政がまともな選挙情報をネットに流さないから、私たちがやるしかなかった」と説明する。

 「議員が普段どんな活動や発言をしているか、知りたい人は意外に多い」とブログを続ける三十代の女性議員。政策や思いを告示直前まで書き込むつもりだ。

 弱点もある。その匿名性ゆえ、誹謗(ひぼう)中傷や虚偽情報が流れるのはネットの宿命ともいえる。この議員のブログも、読者からはコメントが書き込めない。

 「ただ、どんな人に読まれているのか、支持者なのか。それは分からない」

 顔の見えない無党派の市民たち。それは、画面の向こうで息づく無数のネットユーザーとも重なる。彼らは統一選で、どんな選択をするのだろうか。

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