満天の星空映し半世紀
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稼働するプラネタリウムが映し出した星空を、長時間露光で撮影する。頭上を覆い尽くした光の曲線が輝く=明石市人丸町、市立天文科学館
〈撮影データ〉キヤノンEOS5D レンズ15ミリ シャッタースピード90秒 絞りF3.5 ISO400 |
光沢を宿した巨大な投影機が満天の星空を映し出し、ゆっくりと回転してゆく。見上げると、壮大な宇宙が間近に迫り、体が浮きあがるような感覚に包まれた。
明石海峡を見下ろす丘に立つ市立天文科学館。館内のプラネタリウムは設置から今年で四十七年目を迎え、国内で使われている中で最も古い。
部品交換などが難しくなり、二〇一〇年度までに現役を終えることが決まっているが、今春に報道されて以来、全国から名残を惜しむ声が絶えない。今年の夏休みは「子どもの時に見たここの夜空が懐かしくなって」と、今まであまり見られなかった中高年の姿が目立ったという。
明石のプラネタリウムは当時、光学技術で世界最高峰を誇る旧東ドイツのカール・ツァイス・イエナ社製。星のならびにあわせて小穴をあけた原板に光をあて、四枚組のレンズを通して星像を結ぶシンプルな構造だ。プラネタリウムの分野でもデジタル化が進む中、この機器は完全なアナログ方式だ。
半世紀を経た今も投影技術が劣ることを感じさせず、独特のやわらかな星明かりを映すレンズの精度は健在だ。何より、星空を描写する度に響く観客の歓声が、それを物語っている。
「星が自然に目に溶け込んでくるんですよ。一つ一つに味もあって飽きないですね」と、同館の井上毅学芸員(38)。アナログの深みを持った“名機”の引退が近づいているだけに、話し方は少し残念そうだ。
夜空がほのかな朝焼けへと変わり、プラネタリウムの黒い輪郭が浮かぶ。朱色に染まった空を背にたたずむ光景が、いとおしく見えてきた。
(写真部 中西大二)
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プラネタリウム 現在世界中で普及しているものの原型は1923年、ドイツでつくられた。明石の機器は60年に天文科学館の開館と同時に設置。レンズ約300枚を使用し9000個の星を映す。阪神・淡路大震災で同館も大きな被害を受けたが、プラネタリウムは無事だった。デジタルのプラネタリウムは星空を自在に演出することが可能だが、アナログ式に比べまだ星像のきめ細かさが劣る。現在、互いの長所を生かすために両方の機器を設置する施設が増えている。日本は米国に次ぐプラネタリウム大国で、その数は約350基ある。 |
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