伝統の演舞 華僑の誇り
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週一回、静まりかえった南京町広場で舞龍隊のメンバーは練習に励む。ブラックライトで照らされた龍は光をまとい、あやしく浮かび上がった=神戸市中央区元町通1
〈撮影データ〉キヤノンEOS1DマークV レンズ16―35ミリ シャッタースピード1秒 絞りF8 ISO400 |
残暑厳しいこの九月、世界華商大会と中秋節で盛り上がった神戸の南京町に、ひときわ輝く龍が躍動した。異国情緒あふれるネオンや街灯などの光をすべて落とした広場で華麗に舞った「夜光龍」。激しい動きが作り出す幻想的な光の渦は、詰めかけた観衆の心をとりこにした。
神戸華僑の歴史は古いが、現在の南京町の活気は意外なほどに新しい。一九八一年に再開発が始まり、八七年一月、第一回の春節祭を開催した。この晴れ舞台で龍舞を披露するため結成されたのが「神戸南京町舞龍隊」だった。
当時、ひもを結びつけたほうきで練習していた若者たちは、未熟な技術をカバーするため走り回った。「ただがむしゃらにやったなあ」と笑って振り返る大垣沢雄さん(50)も、今は商店街振興組合の事業部長を務める。
舞龍隊は現在三体の龍を所有するが、最も注目を浴びるのが、蛍光塗料で彩色した龍をブラックライトで照らして闇に浮かび上がらせる夜光龍。結成以来、国内外のチームを参考に研究を重ね、六年前に導入した。
現在、約四十人のメンバーは若手を中心に国籍も職業もさまざま。隊を率いる五代目隊長の鮑耀豊(ほうようほう)さん(20)はこの街で生まれ育った。「自分たちの文化を大切にすることで喜んでもらえると、もっと頑張ろうという気になる」。流れる汗をふきながら若きリーダーは目を輝かせた。
世代を超えて引き継がれるこの熱い思いこそ、この街のかけがえのない宝に違いない。その笑顔は、闇に浮かび上がる龍の姿に負けないくらい、まぶしかった。
(写真部 大山伸一郎)
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龍舞 「春節祭」や「中秋節」など神戸華僑の催事に欠かせない出し物として、獅子舞とともに人気の高い伝統芸能。東南アジアを中心に各地のチャイナタウンでも活動が盛んで、世界大会も開かれている。神戸南京町舞龍隊では体長約20メートルの夜光龍「焔龍(イェンロン)」のほか、金色に輝く約40メートルの雄の龍「ロンロン」、雌の龍の「メイロン」を所有。演舞は龍を支える棒を持つメンバーが、幸福を象徴する玉を追いかける形で行われる。 |
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