ようこそ神戸へ  〜世界華商大会を前に

4.兵庫県国際局長 荒尾和成(あらお・かずしげ)さん(58) (2007/06/20)

県民との交流に期待

「大会では震災復興でお世話になったお礼も発信したい」と抱負を語る荒尾和成さん=兵庫県庁(撮影・大森武)
【メモ】
1948年、神戸市生まれ。少年時代から華僑は「友人、知人もいて身近な存在だった」と話す。80年に県庁入りし、香港事務所長、国際経済課長などを経て現職。毎年プライベートで香港を訪れ、現地の友人と交流を深めている。

 世界華商大会は一九九一年、シンガポールのリー・クアンユー首相(当時)が提唱して始まった。各国で活躍する中国系の企業経営者らが二年ごとに集まり、主に経済や商工分野での連携強化を目指す。参加者には、世界経済への影響力を持つ「VIP」も多い。

 今回、荒尾さんは行政の立場から運営に携わる。日本での初開催、しかもメーン会場が地元・神戸とあって、大会への思いと期待は人一倍強い。

 「景気が好調な首都圏とは対照的に、明るい話題の少ない兵庫経済を活性化させる絶好の機会。ビジネスチャンスを求める地元企業や華僑が商談会などに参加できるよう便宜を図りたい」

 荒尾さんと中国とのつながりは、二〇〇一年にさかのぼる。この年、兵庫県が東アジア地域における経済・友好交流の拠点とする県香港事務所の所長に就任。三年間、外国企業の誘致や県内企業の進出支援などに取り組んだ。「香港はともかく、広東省の高層ビル群を目の当たりにして驚いた。中国のイメージが一変した」と振り返る。

 特に力を入れたのが観光客の誘致だった。中国から日本への団体旅行が解禁されたのは二〇〇〇年。震災被害と不況にあえぐ兵庫にとっては大きな魅力で、荒尾さん自身、広東省や香港の旅行業者に有馬温泉、姫路城など県内の見どころを積極的にPRした。

 香港のテレビ番組で神戸港や城崎を取り上げてもらうなど地道な営業も重ね、徐々に「兵庫」の知名度もアップした。国際観光振興機構(東京)の訪日外客訪問地調査によると、〇五年度に兵庫県を訪れた中国人は約六万一千人で、二〇〇〇年度(約二万二千人)の二・七倍。最近、神戸の街中で中国語が普通に飛び交う光景を喜ぶとともに「もっと足を運んでもらえるよう地域の魅力を高めたい」と話す。

 九月の大会では、参加者が積極的に街に出て県民と交流できるような「仕掛け」を検討中だ。観光ツアーのほか、華僑の歴史写真展など多彩なイベントも企画した。

 「関係者だけで盛り上がっては神戸で開催する意味がない。長年の悲願がかなった地元華僑のためにも、県民一体で成功させたい。今、心は中国一色なんです」

(今泉欣也)

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