自宅は「わたくし美術館」

  2004/12/10


 神戸市長田区に住む美術愛好家が旅館だった自宅の建物にコレクションを展示し、私設の美術館として公開している。阪神・淡路大震災にも耐えた昭和初期の和風建築と選(よ)りすぐりの絵画や陶芸、書が響き合う、落ち着いた芸術空間だ。(三上喜美男)


震災で残った旧旅館を転用/神戸の三浦徹さん

 神戸市長田区に住む美術愛好家が旅館だった自宅の建物にコレクションを展示し、私設の美術館として公開している。阪神・淡路大震災にも耐えた昭和初期の和風建築と選(よ)りすぐりの絵画や陶芸、書が響き合う、落ち着いた芸術空間だ。(三上喜美男)


 同区西丸山町二の産婦人科医、三浦徹さん(67)。二十五年前から陶芸を始め、制作のかたわら気に入った作品を購入。これまでに収集したコレクションは絵画約二百点、陶芸千点以上に上る。

 自宅は昭和八年築の木造建築。約七百メートルの斜面を利用した変形の三階建てで、三浦さんの祖母が旅館を始め、約三十年前まで営業していた。

 三浦さんは座敷や廊下などに美術品を飾っていたが、「収集品を社会に還元するのもコレクターの務め」と公開を決意。中国の詩人・蘇東波の詩にちなんで展示空間を「青山」と命名し、五年前から展覧会を始めた。

 さらに昨年から「神戸わたくし美術館『青山』」と名称を変え、同様の私設美術館十二館が加盟する全国組織「わたくし美術館の会」に入会。作品を貸し合うなどしながら年間六回程度の企画展を目指している。

 神戸港で荷役をしながら絵をかき続けた流浪の画家・タカハシノブオや独立美術協会に所属していた小出三郎、韓国の陶芸家・申相浩…。コレクションは多彩だ。現在は美術評論家・石川翠さんの協力で神奈川県在住の若手画家・田端麻子の作品展を来年一月二十五日まで開催中。引き続き二月五日からタカハシノブオ展を予定している。

 震災で半壊したが、再生した建物。そこに作品を選んで置く。「来ていただいた人と、妻手作りの和菓子やお茶で語り合う。私なりのおもてなしです」と三浦さん。「今後は若手美術家たちの紹介にも力を入れたい」と話している。

 「神戸わたくし美術館『青山』」は神戸電鉄丸山駅西徒歩三分。見学希望者は要予約。連絡は三浦さん方TEL078・621・0366


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