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漫画家・浦沢直樹さんが語る「編集者との関係」
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2006/11/22
「YAWARA!」「MONSTER」など、大ヒット作を連発する漫画家・浦沢直樹さんと、コンビを組む漫画プロデューサーの長崎尚(たか)志(し)さんの対談が、日本初のマンガ学部が開設されたばかりの京都精華大(京都市左京区)でこのほど、開かれた。創作の苦労や、漫画家と編集者の関係などを話し合い、トークは熱を帯びた。(武藤邦生) 共著者に近い関係…コンビ組む長崎さんと対談
週刊誌と隔週誌の連載を掛け持ちするなど、超人的な創作力を誇る浦沢さん。だが、自分自身を「努力型」と評する。 「(一九八三年のデビュー当初)絵は描けたが、素人のぼくがドラマをつくるのは、半端な大変さではなかった。手塚治虫の『火の鳥』や、ちばてつやの『あしたのジョー』のような作品が描きたくて、脳みそがバーストするくらいに痛めつけて、地獄のような格闘をした。そのくらいしないと、脳みそは力を発揮しない」 その格闘は「MASTERキートン」(一九九四―二〇〇二年連載)ごろまで続いたという。「あまりに過酷な仕事なので、決して勧めません」と笑いを誘った。 その後、話は漫画家と編集者の関係へと進んだ。 普通、漫画編集者は、出版社の社員だ。長崎さんも元小学館社員で、浦沢さんをデビュー当初から担当してきた。二〇〇一年に独立し、日本で初のフリーとなったが、「仕事は編集者と同じ。自分では『プロデューサー』とは名乗っていないのだが…」と苦笑する。 いずれにせよ、映画や音楽では当然の「プロデュース」という概念を漫画界に導入し、新しい関係性を構築したことは間違いない。 浦沢さんは十年以上、従来の漫画家と編集者の関係に違和感を覚えてきたという。 「週刊連載を、漫画家がセルフプロデュースするのは、極めて難しい。確かな『他者の目』を持ち、方向性を示してくれる存在、すなわち優秀な編集者が欠かせない」。事実、プロットやシナリオなどで、編集者が作品に果たす役割は大きい。 “共著者”に近い関係にもかかわらず、「編集者の大切さに気づいていない」と、浦沢さんは指摘する。 「担当の編集者といい関係を築いても、出版社内の人事異動で離れることになる。漫画というアート的なものに中に、企業的なものが潜り込むのに違和感があった」 浦沢さんは、フリーという立場が漫画界で確立することを期待する。「『あの人にプロデュースしてほしい』と思い、漫画家が編集者を選ぶことが可能になる」からだ。 ヒット作が続出するのも、絶好のコンビだからだろうが、意外にも仕事以外の付き合いはほとんどないという。 「漫画家と編集者は、作品を介在した関係であるほうがいい。でないと長続きしない」。長崎さんはそう話した。 |
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