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異色の“食育”漫画「米吐き娘」好評 姫路の新人・古林海月さん | ||
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2007/07/07
漫画「米吐き娘」を知ってますか? ちょっぴり変わったタイトルだけれど、決してグロテスクな内容じゃない。恐れ多くも五穀豊穣(ほうじょう)の女神様の末裔(まつえい)であるヒロインが、某県の推進する「もっとごはんを食べよう」運動を成功させるべく、悪戦苦闘するコメディーなのだ。作者は「白飯さえあればおかずは無用」と豪語する姫路市在住の新人・古林海月(ふるばやしかいげつ)さん(38)。さわやかな笑いと涙を出し切った後には、あなたもきっとご飯が食べたくなる。(平松正子)
県の「ごはん運動」参考に/元県職員 民俗学の知識も生かす
〈山田みのりは米吐き娘。一日四〜五回、年間約三百六十キロの精米を吐く〉 物語は毎回、こんなフレーズで始まる。主人公・みのりは二十二歳。特異体質ゆえに仕事も長続きせず、母親と二人、吐き米を売って細々と暮らす。だが、県庁の「ごはん運動」担当課でアルバイトを始めるや、にわかに本領を発揮。コメの消費拡大に立ち上がった―。 実は、作者の古林さんも一九九三年から九年間、兵庫県庁に勤めていた。参考にしたのはもちろん、九七年に始まった「おいしいごはんを食べよう県民運動」だ。執筆に当たっては、あらためて担当職員に取材。「米の消費量は四十年前の半分」「日本で完全に自給できるのは米だけ」など、セリフに折り込まれた豆知識にも説得力がある。 「あえて県名は出してないけれど、当時、ごはん運動なんてしてるのは兵庫だけでした。職場内の描写も、実際の県庁そのままです」と古林さん。 もう一つ、作品世界を膨らませているのは神話や妖怪伝説。これも鹿児島大大学院で民俗学を専攻したという、古林さんの経歴による。例えば、米吐き娘の先祖は古事記に出てくるオホゲツヒメ。ほかに二口(ふたくち)女、ヒダル神、竜宮子犬など日本古来の妖怪たちが、水木しげる漫画のように生き生きと描かれている。 「もっと米作りのことを描きたいのに、編集長の注文もあって、やたら妖怪が出てきちゃう。でも、まじめすぎて説教臭くなるより、かえって良かったかな」 基本はギャグ漫画だが、作者の筆致は優しく、炊きたてのご飯みたいにホクホクと心安らぐ。おにぎりが取り持つ小学生と祖母の絆(きずな)。座敷童(わらし)と女性町長の時空を超えた友情…。そして何より、大きな秘密を抱えながら真っすぐに生きる主人公がいじらしい。 「人と違っていることの悲しみは大きなテーマ。私自身も漫画に励まされた。青年誌『イブニング』での連載でしたが、単行本はぜひ子どもたちにも読んでほしい」 シリーズの最後には「神話と人間界が融合する大団円を迎える予定」とのこと。みのりちゃんと古林さんの今後の活躍に期待しよう。 「米吐き娘」第一巻(五四〇円)、続編「米吐き娘 大吟醸」(六八〇円)は講談社刊。 | ||
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