神戸・六甲アイランドの「神戸ファッションマート」。将来性が期待される起業家たちが集う。

 永吉一郎さん(39)が、情報技術(IT)関連の会社を設立したのは一九九五年。常々感じていることがある。「ITも建設業界と体質は同じ。ゼネコンをトップにするヒエラルキー(階層)のようなものがある」

 官庁や役場などが新たにコンピューターシステムの導入を決める。発注先はほとんどが大手だ。

 「制作にあたるのはわれわれ下請け、孫請けの会社。その結果、うちが直接受注するのに比べて余分なコストがかかる。税金の無駄遣いだ」

 導入後の補修で元手は回収できるため、大手は格安受注に走る。一方、資金力に劣る中小は参入しにくい。この体質を突き崩したい。今まで思い続けながら、きっかけすら見えなかった。

 視線の先に、小泉首相が示した構造改革がある。「チャレンジャー支援」。改革に向けた七つのプログラムの一つだ。

 「頑張って挑めば報われる。そんなチャンスがある世の中になれば」。期待を抱かずにはいられない。

 兵庫県はITで行政サービスを高める意識が低い、という。それだけビジネスチャンスが少ない。「先進地は宮城、三重、高知。知事が強いリーダーシップを発揮している点で共通していると思う」

 挑む―。魅力を感じるのは企業経営者ばかりではない。

 但馬地方で農業に従事する川田浩介さん(55)=仮名。「思いっきりコメをつくりたいんですわ」。転作、減反。地域の実情おかまいなしの国の農業政策。若いころから反発を感じてきた。

 「但馬の冬は雪で農作業ができないのに、播州や淡路と同じように転作を割り当てられ、貴重な夏に大豆を栽培しなきゃならない。でも、コメをつくれば、東北や北陸に負けないぐらいおいしいのができるんです。何かおかしいでしょう」

 農産物は安ければいいというものではない。消費者と直接結びつき、小さな単位で農業再生を目指したい。政府の具体的政策は明らかではないが、首相の改革精神は追い風になるかもしれない。

 「農民は本来、独立心が強い人々。それが戦後の過剰な保護で足腰が弱ってしまった。ものを考えようとしなくなった。自民党の責任は大きいよね」と持論をぶった。

 チャレンジャーでありたい。そう繰り返した。


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