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「運命共同体」なのに
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「建物という戦車はあるのに、弾がない」 北摂ニュータウンにある三田ウッディタウンサティをのぞいた四方成之(59)は声を失った。陳列棚にパンがない。牛乳もジュースも。段ボールに婦人服を詰め回収にかかる業者の姿が見える。 今春、監査役を最後に、マイカルの関連会社・マイカル総合開発を退いた。担当したのは、マイカル明石とウッディタウンサティの出店業務。神戸製鋼所の広大な工場跡地と、ニュータウン。いずれも新しいまちづくりを支える中核施設だ。 一九九七年十月、明石。二〇〇〇年十一月、ウッディタウン。列をなす客の流れ。開業式典では感慨に浸った。「地域と店は運命共同体。商売を超えた思いがある」 精魂をこめて手掛けた街が今、揺らいでいる。 ◇ ◇ ◇ これまで都市開発と大型店は、セットとして位置づけられてきた。行政や大手資本が建てるビルに核店舗を誘致し公共施設も造る。そこに補助金がつく。住民も集まる。 「生活百貨店」を掲げたマイカルは、積極的に地域戦略を進めた。その完成形が三田ウッディタウンとマイカル明石といわれる。複合映画館を備え、回遊性を高めた。甲南山手サティ(神戸市東灘区)も、小売市場の再開発ビルに核店舗として入居している。 「ニュータウンに不可欠の施設。閉店しないとは思うが、まずは情報収集」と三田市長の岡田義弘はいう。マイカルは不振店舗を次々に閉鎖してきたが、これまで県内での閉鎖はなかった。しかし再生法適用で、閉鎖計画の見直しは必至だ。存続店でも従業員の削減は避けられず、地域の雇用に大きな影を落とす。本当の危機は、むしろこれからだ。 ◇ ◇ ◇ 商業問題に詳しい中沢孝夫・姫路工業大教授は「一企業の大型店を中核に据え地域開発をするという発想自体が完全に崩れてしまった」とみる。撤退すれば住民生活に影響が出るのは当然のことだが「その可能性が、開発計画に織り込まれていただろうか」。 高齢時代を迎え、まちづくりだけでなくさまざまな分野に小回りの利く「地域密着」を求める動きが出ている。大型店と地域経済。マイカル破たんはその蜜月(みつげつ)時代の終えんを告げている。(敬称略、マイカル取材班) |
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(掲載日:2001/09/20)
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