| 出来たての味 安く手軽に
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| 生菓子分野参入から13年。ラインアップが増えた商品を手に取る田口晴喜社長=たつの市揖保町 |
シュークリームやケーキなど、洋菓子の名だたる専門店がひしめく兵庫。大量生産ができず消費期限も短いため、スーパーなどの店頭に並ぶことは少なく、価格も高い。
そこに商機を見いだしたのが、田口乳業(たつの市)。専門店同様の出来たての味を、三日間保つ技術を開発し、スーパーやコンビニ店などに納入している。
「人工の保存料は使わない。おいしさも専門店に負けない」。消費者の願いを実現させたのが、社長の田口晴喜(54)自慢のクリーンルームだ。
スーパーなどで販売されるシュークリームやケーキは保存がきくよう、高温で殺菌処理されることが多い。しかし加熱することで菓子の風味は落ちてしまう。
クリーンルームには、細菌やホコリなど〇・五ミクロン以上の物質を取り除く特殊フィルターを完備。室内の細菌数は、食品衛生法で定めた基準の0・3%以下に抑えている。フィルターは米航空宇宙局(NASA)の開発した技術を応用。クリーンルームも、食品企業の工場向けに改良した。
この中で製造するため、保存料を使わず熱処理しなくても、三日間はおいしく安全に食べられる風味豊かなクリームが出来上がる。「作りたてこそ一番おいしい。職人芸はいらない」と田口は言い切る。
生菓子分野に参入したのは一九九六年。アイスクリームの製造販売会社としてシューアイスをつくる予定だったが「わざわざ冷凍しなくても、生のほうがおいしい」と一転、シュークリームの開発に取り組んだ。
半年かけ、社員とスーパーなどのシュークリームを食べ歩いた結果、「おいしくて日持ちするクリームをつくれば売れる」と確信した。
初のシュークリームは一日に四百パックほどしか出荷されない日もあったが、着実に売り上げを伸ばし、相生市に工場を新設。製造ラインも十四に増やした。現在の販売先は北陸、中四国にまで拡大。ワッフル、ゼリーなど三十三品目そろえ、日に十六万パックを売り上げる。年商は、生菓子に参入する以前の三倍に成長した。さらに新工場の建設も計画する。
「消費者ニーズをつかんだ結果。さらに新しい味を創造したい」と先を見据える。
=敬称略
(桜井和雄)
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| データ 1949年創業。85年、自社商品製造の完全子会社・田口食品を設立。2002年、相生にクリーンルームを持つ生菓子専門の製造工場と、生乳を低温殺菌するミルクプラントを新設。06年には和田山にせんべいの店も出店した。年商90億円。従業員322人。 |
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