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物語の「魔力」増す
世界的人気シリーズの第四弾となる最新作は、これまでで最高の出来栄え。実にスリリングで見せ場満載。スクリーンに、驚きと歓喜に満ちた「祝祭空間」を現出させ、見る者を飽きさせない。命がけの「三大魔法学校対抗試合」の興奮を軸にしつつ、全編を貫くミステリータッチがなかなかいい。ダークな色彩が強まり、子供向けにしては全体の陰鬱(いんうつ)な雰囲気、暗さが目に付くものの、物語全体の“引力”は確実にパワーアップしている。
英作家J・K・ローリング原作の全七巻で完結予定のファンタジー小説の映画化。ちょうど折り返しにあたる四作目にして、主人公の少年魔法使いハリー(ダニエル・ラドクリフ)の宿敵ともいうべき、「闇の帝王ヴォルデモート卿」が完全な肉体を手に入れ、復活を果たす。ハリーの額に刻まれた傷や父母の死の謎を知る“魔王”だ。物語はようやく、核心部に近づき始めた。彼の邪悪な意思が物語の隠された柱となり、緊迫感を高めている。
メーンの題材となる「三大魔法学校対抗試合」は、百年ぶりに開かれる魔法界のビッグイベント。なぜか、年齢制限で出場資格がないはずのハリーが、代表選手の一人に選出される。
炎を吐くドラゴンからの卵の奪取など、選手に課された試練は三つ。手に汗握るアクションシーンの合間には、思春期に入りかけたハリーの淡い恋や、幻想的で華麗なダンスパーティーのエピソードも盛り込まれ、観客を楽しませるサービス精神は満点だ。魔法学校の新教授マッドアイ・ムーディ(ブレンダン・グリーソン)ら、新キャラクターも相変わらず個性的で面白い。
それにしても、第一作に比べ、主演ラドクリフの何とりりしいことか。ハリーの成長が見事にフィルムに刻まれている。その大人へと近づきつつある端正な顔立ちが、この物語全体のテーマは、まさに「成長」なのだ、と実感させてくれる。米国映画。マイク・ニューウェル監督。公開中。
(堀井正純)
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