|
謎が謎呼ぶミステリー
「謎解きに参加せよ」が本作のうたい文句。さりげないせりふや一瞬の表情、ふと投げかける視線やささいな動作が、最後の最後に明かされる驚きの真相への伏線となっている。一瞬たりとも目を離せない緻密(ちみつ)な超絶ミステリーを作り上げたのは、やはり衝撃的なラストが印象的なアカデミー作品『ディパーテッド』のコンビ、巨匠マーティン・スコセッシ監督とハリウッドスターのレオナルド・ディカプリオだ。
舞台は、「シャッターアイランド」と呼ばれ、ボストン沖合に浮かぶ絶海の孤島。1954年、精神を患った犯罪者を収容する病院から、3人のわが子を溺死させたレイチェル(エミリー・モーティマー)がこつぜんと姿を消す。残ったのは、「4の法則」と題した意味不明の紙切れ1枚のみ。連邦保安官テディ(ディカプリオ)は、相棒チャック(マーク・ラファロ)と捜査を始める―。
不可解な失踪(しっそう)事件に加え、人体実験がされているといううわさが流れる灯台、チャックの行方不明など、意味ありげな出来事が次々に起こる。
物語をさらに複雑にするのが、テディの秘めた目的。最愛の妻を放火で亡くした彼は、病院にいる犯人アンドルー(イライアス・コティーズ)への復讐(ふくしゅう)の機会を狙っていたのだ。
謎が謎を呼び、調査と復讐の企てが交差する中、テディは手が震えるなど体に変調をきたし、幻覚を見るように。「4の法則」も謎のまま物語は進行。ここまでくると、どこまでが真実なのかが分からなくなる。
ラスト、すべての謎が解け、「シャッター=閉じられた」の真の意味が明らかになるのだが、「わあ、こうなるの」と、うっちゃりを食らった気分になった。もう一度最初から見たくなる、見事などんでん返しを成功させた大物コンビの次回作に早くも期待。また吹替版を、字幕翻訳の大御所、戸田奈津子が監修していることも話題だ。
2時間18分。OSシネマズミント神戸などで公開中。
(窪田政男) |