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異色笑えるホラー作品
仕事でなければ、ホラー映画は見ない。人が襲われ、大量の血が流れるグロテスクな描写が多い「ゾンビもの」などは論外のはずだったが…。途中から声を上げて笑い、ラストは心に明かりがポッとついたような温かさに包まれた。米国でゾンビ映画として大ヒットしたのも分かる。
舞台は、新型ウイルスによって人類の大半がゾンビになっている世界。引きこもりのオタク青年コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は、他者とかかわらなかったことが幸いして生き残る。ヒッチハイクで故郷を目指す途中、息子を殺したゾンビを退治することを使命とする中年ガンマン、タラハシー(ウディ・ハレルソン)と出会う。
一緒に旅することになる2人。「最近、生きている女と寝たのはいつか?」とか、どれだけ残酷にゾンビを殺したなどを、ウソや誇張を交えて自慢し合う。いつゾンビに襲われるか分からない状況で、どうでもいいことを言い争うのがおかしすぎる。
そんな2人が出会うのが、ウィチタ(エマ・ストーン)とリトルロック(アビゲイル・ブレスリン)という美人姉妹。ゾンビにかまれた妹がいつゾンビに変わるか分からないという境遇に同情するが、実は彼女たちは詐欺師。立ち寄った店で男2人が降りた際、車ごと金や持ち物を奪い去る―。
でも、そんな彼らを「ピュアなのね」といとおしく思う。タラハシーと息子との愛あふれる場面や、ウィチタを好きになり、彼女のために体を張って戦うまで成長するコロンバスの姿に「生きている」と感じるのだ。血だらけで永遠にさまようゾンビの姿が、その思いをより強くさせる。
コメディー、青春物などさまざまな要素を詰め込んだロードムービー。血肉が飛び散るけど「ホラー」のジャンルには入れたくないなぁ。すでに続編が3D公開で決定。次回作にも期待だ。
1時間28分。28日からシネ・リーブル神戸で公開。
(シネマ・パーソナリティー 津田なおみ) |