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公的な窓口整備が急務
二カ月に一度、神戸・三宮に各市の国際交流協会や民間団体のスタッフ十数人が集まる。外国人の生活相談を担当する職員らの勉強会。入国管理や年金、法律などの実務者を講師に招く。
十一月の講師は兵庫労働局の職員。講義に続く質疑応答では、参加者の手が次々と上がった。労災の後遺症は帰国後も継続治療が認められるのか。労災に遭って即時解雇されたときは―。日ごろ受ける相談への最善の答えを探ろうと、参加者たちは真剣だった。
◇最善の答え
参加者のうち公的機関の職員の大半は、正式には「相談員」ではない。肩書は交流協会の「臨時職員」で、生活相談は業務の一つ、との場合が多い。外国語が堪能でも「相談に答えられず困ることがよくある」という。
だから勉強会は、有益な情報交換の場でもある。「それぞれが対応できる言語や得意分野をいかし合いたい」と、神戸国際協力交流センターの折野美紀さん(34)。たとえば同センターでは入国管理局OBや行政書士が相談に応じ、兵庫県国際交流協会では弁護士の法律相談と社会保険労務士による労働相談がある。勉強会でこうした事情を知り合うことが、的確な対応に結びつく。
◇やりがい
日系ブラジル人の金城ロベルトさん(48)は、県国際交流協会の外国人県民インフォメーションセンター(神戸市中央区)に勤めて七年になる。法律相談に協力してきた梁英子弁護士が「弁護士を育ててくれる場」というほど、多様で複雑な事例が少なくない。
センターは日本人と外国人の溝を埋める役割も果たす。年間五千件以上の相談のうち、昨年度は日本語での相談が千二百件。通訳依頼、外国人と結婚した日本人からの相談…。センターは対立を未然に防ぐ場でもある。
そのセンターの専門相談員は五人。金城さんはその一人だ。
来日ブラジル人は急増したが、ポルトガル語をこなせる相談員は少ない。非常勤職員の不安定な身分だが、二つの祖国の橋渡しを続けたいと願う金城さんは、「私に合った仕事。やりがいがある」という。
◇県レベル対応
増える外国人。限られた相談場所。交流協会などの公的機関の場合、他の市町に住む人からの相談に対応しにくかったり、窓口でしか応じられなかったりもする。
では、どんなシステムが求められるのか。
外国人に対する自治体の政策を調べる京都大人文科学研究所の竹沢泰子助教授(文化人類学)は「最近の取り組みは評価されるものがあるが、公的な相談窓口の整備が急務」と指摘する。
最近は地方にも外国人が住むようになっている。かといって、地方のすべての市町に相談窓口を設けるのは難しい。そこで竹沢助教授は「県レベルに専門的なコーディネーターを配置し、広い範囲を見据えての総合的な対応が必要」という。つまり、少ない相談員を有効に活用するには、市町の枠や組織の違いを超えるべき、ということだ。当然、相談員の地位を向上させることが前提になる。
「相談業務は専門性が高く、経験の蓄積があってこそできる。日本に外国人がいるのは一時的な現象ではない。相談員の熱意に依存したままでいいのかどうか」
この問いに、各自治体はどう答えるだろう。
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