人工島に自慢の清流
せせらぎにはカルガモ親子。小魚も群れをなす=いずれも神戸市中央区港島南町、中央緑地
ソウギョやコイがみるみる集まってくる

 人工島にオアシスがある。神戸・ポートアイランド二期にある中央緑地(公園)。もとより自然と無縁。六年前の完成までは仮設住宅が立ち並んでいた場所だ。

 そこが里山にも似た環境に生まれ変わっている。大きな池に魚が群れ、それを狙う野鳥がいる。三百メートルも続くせせらぎはまるで山中の渓流。

 流れているのは下水の高度処理水。近くの処理場から一時間あたり約二百トン。窒素とリンの成分が少し多いほかは、自然の川とほとんど変わりない水が送り込まれている。

 「じかに見て触れてもらう水。緊張感をもって水質保持をしています」と下水道施設部ポートアイランド管理事務所(神戸市都市整備公社)の小東秀敏さん(55)。

 これほど大規模な公園に処理水を使うケースは珍しく、計画当初は「そんなことできるのか」疑問に思ったほどだった。

 数年たつうち、放流した魚が増え、野鳥も集まりだした。水の品質に自信をもった近年、今度は人間が集い始めている。

 「島に住む子どもたちのためにホタルの乱舞を見せてあげたい」。近くに住む馬場由喜子さん(66)は、先月ホタルを二十匹あまり放した。「何年かかっても実現させたい夢なんです」

 毎日、カルガモ親子にえさをやりにくる人。だれかが放したミドリガメの卵がかえるのを楽しみにするグループ。池の掃除をする老人もいる。

 「みなさん思い思いにオアシスづくりを楽しんでるみたいです。自然じゃない自然もどきなんですけどね」

 自慢の水が生み出すドラマが、小東さんたちにはうれしい。(写真部 三津山朋彦)

 下水高度処理 有機物除去のほかに赤潮の原因となる窒素、リンの除去も行う処理法。砂ろ過やオゾン処理も併用する。ポーアイの処理場は1日8500立方メートルの処理水をつくり、うち5000立方メートルを中央緑地に供給している。
(掲載日:2004/07/08)
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