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「苦しい人は泥水も飲む」
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多重債務に陥る人が、後を絶たない。この問題の根幹は、どこにあるのだろうか。 ◇ ◇ ◇ 「何より、金利の引き下げが必要だ」。支援者、専門家は、一様にこう指摘する。各国の事情に詳しい植田勝博弁護士(大阪市)は「ドイツでは、銀行の通常貸出金利の二倍を超えると公序良俗に反する、との判決が出ている。フランスも国が消費者金融の金利を監視し、年利は10%強。一方日本は、超低金利で調達した金を市中の十倍以上の利息で貸し出し、長者番付に名を連ねている」と話す。 急速に進む、消費者金融と銀行の提携ローン。年利は消費者金融単体より低く、たいてい10%台だ。だが、金融機関側は「生活費などの消費性ローンには貸し出さない」と、違いを強調する。 ◇ ◇ ◇ 消費者金融側は、こうした指摘をどう受け止めるのか。 無人契約機の好調な伸びなどに支えられ、今年三月期の決算で、軒並み過去最高益を更新した大手四社。 最大手の武富士(本店・東京)は「自己破産のすべてが消費者金融が原因と言えるだろうか。商工ローンや信販の利用もあるだろう」とする。金利については「引き下げで中小業者が立ち行かなくなれば、そのひずみとして悪質な業者が出てくる恐れがある」「消費者金融が最も活発な米国の年利は約12―45%。日本の金利は目が飛び出るほど高いだろうか」と反論。「多重債務は金利だけの問題ではない」と続ける。 ◇ ◇ ◇ 「利用者の約七割は、年収五百万円未満とされる。病気や冠婚葬祭、身内の借金…。人生の急場を消費者金融が支えてきた面もある。そんなときは貯金で対応しろ、というのは強者の論理だ」と、この問題に二十五年以上取り組んできた木村達也弁護士(大阪市)はいう。 「もちろん個人にも問題はある。しかし」と続ける。「福祉の貧困にも目を向けるべきだ。失業者や高齢者、母子家庭への支援は貧弱で、事件事故の被害者も放置されてきた。中小企業が金を借りられる場も少ない」 多重債務者の相談を続ける兵庫県司法書士会。根本的な問題解決には教育が欠かせないと、県内の高校に出向き、消費者金融やクレジットカードに関する講座を開いてきた。メンバーの岡田直人さん(神戸市)は「消費者金融から金を借り、震災関連の公的融資を返す人がいると聞く。自治体はどこまで沈黙を守るのか」と問う。 ◇ ◇ ◇ 「苦しい人間は、泥水でも飲む」。取材ノートに残る言葉だ。日本弁護士連合会は推計する。「国内の多重債務者は、少なく見積もって百五十万人」と。=おわり= (多重債務問題取材班)
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