| (掲載日:2002/12/18) |
| 14.0.15ミリグラムの追い風が吹く |
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ぐるりと神戸の歓楽街を回って、再び三宮へ。忘年会シーズンで街はにぎわう。 まさか飲んだ後もマイカーで…なんて不心得者はいないでしょうね。六月の道交法改正で、飲酒運転の取り締まりが厳しくなった。最低基準は呼気一リットル中のアルコール濃度が「0・15ミリグラム」。たいがいは、ビール大瓶一本でこの数値を超す。 「0・15ミリグラム」を帆いっぱいに受けているのが、飲んだ客の車を運転する代行業。某夜、電話でお願いした。 男性二人が車で駆け付ける。一人が白手袋でこちらの車に乗り移り、「代行」と分かるステッカーを車に張る。業者の車も一緒に走る。業界ではこれを「親子」と呼ぶ。「親」は客の車、「子」は業者の車。無事に客を送り届けると、「子」に二人が乗って帰る―という算段だ。 初乗りは二千円ほど。三百五十メートルごとに百円が加算される仕組みで、「距離が延びるとタクシーよりお徳」という。 こちらの車を運転してくれた男性は、三十二歳。昼間は会社勤めで、「いつかバス運転手に」が夢だ。もうすぐ三人目の子どもが生まれることもあり、夜のアルバイトとして働く。 「不況でボーナスもない。かといって奥さんを仕事に出すわけにもいかないし」 「一時間しか寝れないこともある。でもね、一生乗れない高級車だって運転できる」 この業者の場合、神戸と姫路が営業の舞台だ。八十―九十人という運転手は全員アルバイト。配車などを受け持つ社員は言った。「客足は前年比で150%以上。ここまで忙しくなるとは。神戸で二十六台ある『子』の車はフル回転状態」 新規業者も目立つ。兵庫県内での認定業者は約五十で、届け出制だったころのざっと二倍。 哀歓入り混じった風が路地に吹く盛り場。みなさんの師走は「哀」ですか、「歓」ですか。 (担当は社会部の大角毅、井関徹) |
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