ぽってりとした体で寝そべる陶のウサギたちと、作品を手にする山本朱さん=大阪市淀川区(撮影・岡田育磨) |
かわいい、か? ふてくされていたり、眠ったふりをして辺りをうかがっていたり。ちょっとご機嫌斜めな顔は、どこか人間にも似る。「ウサギは一見、無表情だけど、私には何となく意思や感情がわかるんですよね」と話す陶芸作家、山本朱(あや)さん(28)=大阪市旭区=の明るい笑顔とは対照的だ。
山本さんが初めてウサギの造形に取り組んだのは、大阪芸術大短大部(伊丹市)の卒業制作。ちょうど自宅で飼い始めた頃だった。愛らしい姿をしながら、無理やり抱き上げると怒る、すねると眉間にしわを寄せる。そんなギャップに、表裏を使い分ける人間を重ね合わせた。その後、京都精華大の陶芸コースを経て、現在は大阪や神戸などで活動している。
手びねりで成形し、白く彩色した上から釉薬(ゆうやく)をかける。頬にはほのかに紅をさし、体温さえ感じられそう。目玉は潤んだようにつやつやで、のぞき込みたくなる。
ウサギ作りも約10年。最近はその「形」に関心があるという。リラックスして、全身を緩ませた姿。何かを警戒し、ピンと張った耳や後ろ足。心持ちがストレートに表れる。「作品は私の思いも映しているかもしれない。だんだんウサギとの境界線がなくなってきてるのかな」
そういえば大きな目、くるくる変わる表情―。「よく作品と似ているって言われます」
(神谷千晶)
(2011/01/07)
Copyright© 2011 神戸新聞社 All Rights Reserved.