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食と農林水産 ひらく人

(6)ワイン醸造で仏国家資格持つ 渡辺佳津子さん(33)特産品に変革もたらす

口調は穏やかながらワイン造りに闘志を燃やす、自称「威圧系」と話す渡辺佳津子さん=神戸市西区押部谷高和、神戸ワイナリー・農業公園

口調は穏やかながらワイン造りに闘志を燃やす、自称「威圧系」と話す渡辺佳津子さん=神戸市西区押部谷高和、神戸ワイナリー・農業公園

 神戸の特産品、神戸ワインの変革が始まっている。製造元の神戸みのりの公社(神戸市西区)の製造担当に二〇〇八年八月、フランスの大学で学んで国家資格のワイン醸造士を取得した渡辺佳津子(かづこ)さん(33)が加わり、品質向上に取り組む。

 一九九八年にワイン造りを志して同社に就職。管理部門の仕事を担当するうち、数々の疑問にぶつかって「勘に頼るだけでなく、理論的に造りたい」と思いが強まり、就職五年目で渡仏した。

 四年間学んだ後、古巣に戻り、次々と提案をした。「初めはみんな疑心暗鬼だったけれど、実際にワインの質も変わったことで理解が広がってきた」と喜ぶ。「今では、『次は何をしたい?』と聞いてくれるのがうれしい」と話す。

 まず約四十ヘクタールのブドウ園の格付けを、より厳密にした。食味の調査地点を三倍以上の百カ所に増やし、収穫時からワインの完成までの味の変化を把握できるよう、製造課の七人全員で調査。「毎年の積み重ねが次につながる」と狙いを明かす。

 栽培段階で農家が行っていたブドウの粒の選別もより強化するため、工場に集めてから手作業で、一房ごとに傷ついた粒などを取り除いた。

 「一番大事なのは、ブドウの品質」と栽培者の意識改革にも取り組む。収穫したブドウの分析項目を細分化し、目指すブドウをより具体的に分かるようにした。

 昨年は、最高品質のブドウだけをよりすぐってワインを造った。「これからも新しい商品を造りたい」と意欲的だ。「全国にワイナリーは数あるが、個性が少ない。神戸の土地の特性が出たワインを造りたい」と熱意をにじませる。

(井垣和子)

(2009/05/18)

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