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わが社のカイゼン 現場が生む知恵

(29)資源リサイクル アミタ(東京)「循環」理念 森林で酪農

資源リサイクル企業が本格化させた森林酪農。無関係な事業に見えるが「持続可能社会の実現を目指す」という理念でつながる=京都府京丹後市弥栄町、森林ノ牧場丹後

資源リサイクル企業が本格化させた森林酪農。無関係な事業に見えるが「持続可能社会の実現を目指す」という理念でつながる=京都府京丹後市弥栄町、森林ノ牧場丹後

<カイゼンのポイント>
 トップの意志を共有
 一つの分野から次のヒント
 先進例を学ぶ

 廃棄物をセメント原料として再生させる企業が、かわいいデザインのカップアイスも作っている。「牧場を自社で持っているので、牛乳も自家製ですよ」と、地上資源事業本部の大西真也さん(31)。上品な甘さを生んだのは、社内が一丸となったある理念だった。

  前身企業が姫路市で設立されたのは、30年余り前。メッキ工場の廃棄物から亜鉛が取り出せる点に着目し、亜鉛の抽出技術を持つ企業に廃棄物を取り次ぐ事業に乗り出した。その後、さまざまな工場から出る廃棄物を混ぜ合わせ、セメント原料や燃料として再生する技術を編み出した。

  転機を迎えたのは1999年。熊野英介社長(53)が「独自の道を歩み続けるため、もう一歩踏み込みたい。環境循環型システムを形成し、持続可能な社会を実現させるべきだ」と社内に呼び掛けたことが契機だった。

  廃棄物処理とは別の道からも環境にかかわる―。社内に理念が伝わり、探し出した事業が森林管理。各地で衰退する林業の振興もにらみ、海外の団体と連携して、森林管理や特産品加工の価値を認証する事業を始めた。

  「森林にかかわるノウハウをさらに応用できないか」。2007年、京都の里山に牛を放牧する“森林酪農”のアイデアが生まれた。地域デザイン部の角新(かどしん)支朗さん(35)らが中心になり、バイオガス発電事業を受託している工場の隣接地を借り受けた。雑木林に牛を放って草などを食べさせ、生乳を加工しようという狙いだ。

  最初は牛の健康管理に苦しんだが、「先進例を勉強しながら、独自のノウハウ確立に努めた」と角新さん。あきらめず、里山を歩かせることで徐々に牛の体調は回復。上質の生乳が確保できるようになった。そこで生まれたのが、自社ブランドのアイスクリームだ。

  近くでは住民の協力で畑を耕し、バイオガス発電の廃棄物で作った肥料を使って穀物を栽培した。間伐材でのシイタケ栽培、ハチミツ生産と、社員の発想は広がりつつあり、今年7月には栃木に2カ所目の森林酪農をオープンさせた。

  資源リサイクルの充実に携わる大西さん、酪農を引っ張る角新さんとも、声をそろえて「事業分野が広がっても、理念は同じ。かえって会社全体の目指す方向が見えてきた」。一人一人が考え、挑戦し続ける土壌が、飛躍を支える。

(佐伯竜一)

〈データ〉
 1977年、姫路市に前身のスミエイト興産設立。廃棄物の再資源化に取り組み、2000年現社名に。01年、東京へ本社移転。06年大阪証券取引所ヘラクレス上場。08年12月期の連結売上高は48億5541万円。グループ従業員は約200人。

(2009/08/27)

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