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わが社のカイゼン 現場が生む知恵

(37)青果卸 カネヘイ(神戸市兵庫区)営業の一線に女性登用

女性が働きやすい制度・環境を整備し、消費者目線により近い営業活動を目指す=神戸市兵庫区中之島1

女性が働きやすい制度・環境を整備し、消費者目線により近い営業活動を目指す=神戸市兵庫区中之島1

<カイゼンのポイント>
 未明出勤緩和へ業務分担
 荷物運搬を再検討
 販売促進も発想転換

 「野菜を最終的に買う人の多くは女性だが、その流通は主に男性が携わる。完全なミスマッチが起きていた」。青果卸売業・カネヘイ(神戸市兵庫区)の宗(そう)和(わ)正文社長(47)は振り返る。

  卸売市場のせりに合わせ、営業部の社員は基本的に午前3時出勤。1人の担当者が商品の仕入れや場内配送、納品まで一貫して受け持っていた。未明の出勤や重い青果の運搬があり、女性の登用は進んでこなかった。

  百貨店勤務だった宗和社長が父親の後継者として社長に就いたのは2004年。経験からすぐ疑問に思ったのは、野菜のどの部分がどんな料理に向くかなど、商品担当者に「食材」としての知識が乏しい点だった。

  「青果物は商材である前に、食材。女性の感性を生かせないか」と感じ、女性が働きやすい制度づくりに力を入れ始めた。

  育児休業制度や介護休業制度を整え、女性の新卒採用にも積極的に取り組んだ。重い商品を持たないでも営業に携われるよう、仕事のあり方の見直しを進めた。

  子どもがいる女性社員のため勤務体系を変更。6時出勤でも支障のないよう業務を細分化し、分担できるようにした。現在、営業6人のうち2人が女性だ。08年に営業として入社した浦野佳奈さん(24)は「子育て中の社員のカバーは当然。自分が育児する時も不安にならなくてすむ」と話す。

  健康ブームや食の安全への関心の高まりなど、青果卸業界を取り巻く環境は大きく変化している。「いい野菜を卸せば売れる」という旧来の発想では時代に遅れる。

  同社は野菜を買う理由や頻度を聞くアンケートを量販店で取るなど、販売促進で消費者の声を重視している。自らも消費者である女性社員のアイデアも、販促活動に役立っているという。

  7歳の娘を育てながら働く滝川恵理さん(42)は、「どんな会社でも部署でも女性の力が必要」とする会社の方針に共感する。

  宗和社長は「女性というだけで採用するわけではないが、女性の能力が最大限に生かせるよう、制度や環境の整備を進めていくのが会社の役割」と今後を見据える。

(貝原加奈)

〈データ〉
 1892(明治25)年、宗和平蔵氏が野菜の卸売業「宗和商店」として神戸市兵庫区で創業。現在、神戸市中央卸売市場内で野菜と果物の仲卸を行う。事業エリアは阪神・北摂地域。現在社員27人、うち女性6人。

(2009/11/19)

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