マンホールの多くは、年に1度使われるかどうかというが、「いつでも同じように使えて当たり前。品質管理に手は抜けません」と加西工場長の廣田義和さん(左)=加西市池上町 |
マンホールと聞いて、道路にある円形の鉄板を思い浮かべる人も多いのではないか。「あれはふた。マンホールはその下にあるコンクリート製の穴です」と、イトーヨーギョー(神戸市灘区)の加西工場長、廣田義和さん(38)。自らの背丈を超す製品に触れながら、「下水道などを管理する作業員の出入り口。高さ1メートルから大きいものは8メートルくらいのものまである」。
同社が製造を始めたのは1960年代前半。当時は埋設場所に穴を掘り、コンクリートを直接流し込んで成形していたが、周辺の土壌に水気が多い場合は作業効率が悪く、品質にも悪影響を与えていた。そこで事前に工場で作ったブロックを現場で組み立てる工法を発案、72年に神戸市と共同で製品化させた。
コンクリートは、砕石やセメントにほぼ同じ分量の水を混ぜて作るが、水の割合を抑制した製法を採用。マンホールの型に流し込んだ後、振動を加えて流動化させ、圧力をかけて固める。水を減らすことで強度が高まり、腐食の原因となる鉄筋も使わずに済み、寿命を大幅に延ばしたという。
加西市と岡山県内の2カ所で生産。兵庫の自治体を中心に約50万基を納めた。約10年前には、添加材に下水の汚泥焼却灰を使った環境配慮型を投入した。「社会のニーズを拾っていい製品にしたい」と廣田さん。目にとどまりにくい地味な存在ながら、高品質を追い求める自負心をのぞかせた。
(佐伯竜一)
<メモ>
〈イトーヨーギョー〉1950年、建材の販売会社として明石市に設立。コンクリート会社に資本参加し、マンホール製造などを手掛けた。近年は、排水機能付きの道路用縁石「ライン導水ブロック」などに注力。2010年度の売上高は23億4100万円。
(2011/11/09)
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