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悲しみの社会で グリーフケアのいま

(番外編)読者の体験談死別の癒やし 共感の輪

 愛する家族や大切な人と死別し悲嘆に暮れる人たちの姿とケアの現状を、連載「悲しみの社会で グリーフケアのいま」(3月13―20日朝刊掲載、8回)でお伝えしました。体験談や意見を募ったところ、たくさんの手紙やメールをいただきました。その中から、4人の女性のケースを紹介します。(森本尚樹、中島摩子)

■多忙の後に

 東播磨の四十代後半の女性は、夫を心筋梗塞(こうそく)で亡くした。仏事や役所の手続きに追われている間は元気で、人前で泣くこともなかった。それが半年後、一変した。

 「肩や背中、腕、足などの痛み、しびれ、吐き気や頭痛など我慢できない症状が一気に押し寄せてきました」

 夫は突然の発作で息を引き取った。このため、「私が的確に人工呼吸や心臓マッサージをしていれば助かったのではないだろうか」と、自責の念に苦しんだという。

 「分かったような同情」「頑張れという励まし」が、女性をさらに追い詰めた。たびたび「元気?」と聞かれることも苦痛で、無理に笑顔をつくりストレスが増えた。

 それとは逆に「以前と同じようにつまらない話で笑わせてくれる人に会う方が、救いになった。涙をにじませながら、心から大声で笑うことができた」と振り返る。

 女性は夫の死の約一年後、心療内科を受診。気持ちを吐き出し「第一歩を踏み出した気がした」と書いている。

■自分を見つめる

 二〇〇四年に最愛の夫を胃がんで亡くした明石市の主婦(63)は、便せんに記した。

 「自分の人生も終わりにしたいと真剣に考え、ただ息をしているだけの日々が続きました」

 半年間ほど自宅に閉じこもっていたという女性は、家族や友人の支えで元気を取り戻しつつある。加えて「三つのことを実行することで、なんとか自分の人生を頑張ってみようと思えています」とつづる。

 その三つとは―。

 @自分のノートを持ち、心の中で感じたことや悲しいこと、うれしいことをなんでも文字にするA昔のアルバムを出して思い出すB好きな絵を見るなど、些細(ささい)なことでも興味を持てることはやってみる―。

 女性は「とにかく何か続けられることを探してやってみる」と提案。それが自分を見つめ直し、立ち直りにつながると呼び掛ける。

■自助グループ

 「背負う十字架があまりにも大きすぎ、悲しくて切ない思いが残った」 神戸市須磨区の女性(47)。夫が自ら死を選んだ。

 女性は、家族同士のトラブルにも直面した。そのとき、支えになったのが同じ境遇の遺族が集う「自助グループ」だった。

 参加者と話すことで気持ちを共有できるだけでなく「ものの見方が広がった。視野が狭くては前に進めないことに気づいた」という。「私と同じような遺族がどこかで一人でも悩んでいたら、悲しみを共有したい」と女性は書く。

 三田市の福祉職の女性(48)は昨年一月、病気で夫を亡くした。女性のメールは、こう締めくくられている。

 「未(いま)だに実感がなく、走り続けています。死を受け入れるには、グリーフケアを知ることが必要だと思えるのです。これから研修や集まりに参加していきたいです」

(2008/04/09)

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