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社説

年金記録問題/優先課題として解決急げ 

 記録の改ざんなど一連の年金記録問題の解決は、国民が最も鳩山政権に期待することだろう。首相は所信表明で「国家プロジェクト」と位置づけ、今後2年間で集中的に取り組む決意をあらためて示した。

 その対策費として、長妻昭厚生労働相は来年度予算の概算要求に総額1779億円を盛り込んだ。問題が発覚した2007年度以降、厚労省が3年間に投じた1561億円を上回る規模である。

 年金は、高齢者の日々の生活を支えるものだ。最優先の課題として、正確な年金支給と信頼の回復を急いでもらいたい。

 具体的には、約8億5千万件ある古い紙台帳とコンピューター記録の照合システムを構築し、2年間で70%、4年間ですべての作業を終えるという。この記録照合に、来年度は789億円を計上している。

 オンライン化の際の入力ミスなど、ずさんな管理が記録問題を招いたことを考えると、照合作業は解決への第一歩である。実際、誰のものか分からない「宙に浮いた年金」約5千万件のうち、まだ1千万件以上が特定できていない。

 社会保険庁の試算では、全件照合には約2千億円と延べ6万〜7万人の人員が必要とされる。紙台帳の記録がすべて正しいとは限らず、既に死亡した人もいる。難しい作業になるが、これだけの巨費と人を投じるのなら確実な成果につなげてほしい。

 先日、発足した「年金記録回復委員会」は記録照合の方法などを検討する狙いだ。外部の有識者9人で構成される。保険料の納付記録がない「消えた年金」被害者の早期救済などにも取り組んでいくという。

 しかし、総務省の第三者委員会で「消えた年金」記録の訂正が認められたのは4割にとどまる。保険料納付の領収書や同僚の証言などが必要なためだ。こうした要件を緩和するなど柔軟な対応で、できるだけ広く救済することも考えねばならない。

 民主党の政権公約には、社保庁と国税庁を統合し「歳入庁」を新設することがうたわれているが、社保庁の後継組織「日本年金機構」は、予定通り来年1月に発足することになった。民間からの内定者がおり、システム開発も進んでいるのが理由だ。記録問題への対応に当たるが、人員の確保などで課題は残っている。

 鳩山首相は所信表明で「公平、透明で将来にわたって安心できる年金制度を創設する」と述べた。その決意を忘れず、問題解決と制度設計に努めてもらいたい。

(2009/10/28 09:47)

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