関西電力で稼働する唯一の原発となっていた高浜原発3号機(福井県)が、定期検査に入った。これで関電の11基を含む同県内の全14基が止まる。
国内でも残り2基が4月下旬までに定期検査入りし、全54基の停止が秒読み段階に入った。原発ゼロでもやっていけるかどうか。それは福島の原発事故後、取りざたされていたことだ。
原発が稼働しないと、どれほど電力が足りないのか。節電や省エネはどの程度必要か。自然エネルギーの現状と可能性も確認しながら、原発に依存しない社会づくりへ踏み出す機会にしたい。
関西はこの冬、10%以上の節電に取り組んできたが、電力使用率が90%を超えたのは5日間にとどまる。そんな中、今度は電力需給の逼迫(ひっぱく)が懸念される夏場対策の議論が活発化してきた。
関電は原発による電力確保を訴えている。大飯原発3、4号機の安全評価を提出して再稼働を急ぐが、福井県は福島の事故を踏まえた安全基準なしの再稼働を認めない構えである。当然だろう。
津波前の地震による被害が事故の原因と疑う専門家は少なくない。関電の老朽化原発の耐久性を心配する声も多い。
事故が起きた場合のリスク負担の問題も不透明だ。福島の事故では膨大な賠償や廃炉費用などに国民の税金を使わざるを得ない状況になっている。関西で同様の事故があれば、被害は計り知れない。関電はどう備えているのか。こうした疑問への答えが求められている。
大阪府と大阪市の府市統合本部は関電に対して30項目の情報開示を求めた。全原発が立地する地盤などの調査結果やこれまでの事故情報などだ。「高い」とされる燃料の調達方法と価格や、業務委託先や費用などの情報も請求している。
東京電力についての政府の経営・財務調査で、電力会社の高コスト経営が明らかになった今、関電にも徹底したコスト削減を求めたい。
関西でも、自家発電機を増設して売電したり、未利用地に太陽光パネルを設置したりする企業が増えてきた。全庁舎の照明をLED化する伊丹市のような例が広がれば消費電力の削減も進む。
国はこうした動きを後押しするとともに、夏の電力需給状況を冷静に見極める必要がある。そのためにも電力会社の情報開示が不可欠だ。
電力消費のピークを抑える料金制度や電力会社間の電力融通もさらに進めるべきである。その先にある電力自由化も見据えた将来像を描く一歩にしたい。
(2012/02/21 10:18)
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