山崎断層(上) 要注意期に突入/近い将来、M7クラスの恐れ


 阪神・淡路大震災と同じ直下型地震を引き起こす恐れがあると、近年注目が高まる山崎断層。活動周期は要注意期に入り、マグニチュード(M)7級の大地震の可能性も指摘される。

 山崎断層は、全長八十七キロにわたる「断層帯」で、六つの断層に分かれている。岡山県勝田町を西端に、兵庫県の佐用町―山崎町―安富町―夢前町―福崎町―加西市―小野市―三木市と、播磨地方を南東方向へ走る。

 活断層の断面を掘削して活動履歴を調べるトレンチ調査などから、大原、安富断層は千年前±数百年に最新の運動があったことが判明。岡田篤正京大教授は「八六八年の播磨地震(M7以上)によるものだろう」と指摘する。播磨地震では暮坂峠断層も動いた可能性がある。

 琵琶甲、三木の各断層の最新活動は二千年前±数百年。大原、安富断層とは別時期に動いた可能性が高い。

 さらに兵庫県が実施した調査で一九九八年度、三木断層と直交する草谷断層を確認した。琵琶甲、三木断層と同時期に活動した可能性も指摘されている。

 また、安富断層の古い地層の調査で、千数百年から二千数百年の活動間隔が認められた。播磨地震以降大きな地震がなく、山崎断層では近い将来、M7―7・5の大地震が起こると予測する専門家もいる。

 国の地震調査委員会も来年度までに、山崎断層の将来の発生確率などを公表する。


西播磨25市町と警察、消防など/広域防災体制を整備

 山崎断層地震など大規模災害に備え、西播磨の二十五市町と警察や消防、自衛隊など関係機関は二〇〇一年、広域防災対応計画を策定した。連携の手順などを整理したマニュアルは、市町の枠を超えた非常時の協力体制を定める全国でも珍しい仕組みだ。

 県や市町職員の防災対応能力を磨く取り組みも進んでいる。中播磨県民局は〇二年度、災害時の対応をワークショップ形式でシミュレーションする「防災マスター訓練」の指導マニュアルを開発した。指導マニュアルは県内の自治体に貸し出され、かつて受講した人が講師となる。

 開発した県内唯一の防災対策専門員、長谷川和正さんは「どこの自治体も専門家がおらず、訓練方法も確立していないのが実情。全国からの問い合わせも多い」と話す。

 地域の防災の担い手になる自主防災組織は、震災以降、県内で急速に組織化が進んだ。神崎郡大河内町の「自主防災おおかわち」(高内直喜会長)は、住民ボランティアが運営する。看護師による救護班、アマチュア無線愛好家の巡視班編成などは、事務局長の河村正文さん(67)が会社員時代に培った危機管理のノウハウを生かした。

 防災意識の啓発を最重点に、集落単位の訓練なども実施。「いざ災害が起こったとき、組織として機能させられるかどうか、不安はある」と河村さん。しかし「他市町と情報交換する機会があれば、参考にしたい」と意欲的だ。

 一部が断層のほぼ真上を走る中国自動車道の対応はどうか。日本道路公団関西支社によると、約二十キロ間隔のインターチェンジに震度計を設置。社内マニュアルに従い、計測震度3・5以上(震度4以上)で一斉点検、同4・5以上(同5弱以上)で本線を通行止めにする。さらに震災後の九六年に国の耐震基準が改定されたのを受け、「阪神・淡路大震災クラスの直下型地震に耐える強度を目指す」と橋脚の耐震補強を進めている。

 

(掲載日:2003/7/17)

 

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