◎連載/ミナト便り 復興とともに

(3)船具商/渋滞で運搬に四苦八苦

 ノート、5セットOK―。フィリピン船籍貨物船「オーシャンセリーヌ号」のデッキ上で、船員らと手際よくやり取りしながら、納入商品を一つひとつ袋から取り出してチェックする。

 神戸港を中心に内外の入港船に、ワイヤロープや船舶部品をはじめ、ほうき、ノートなどの日用品までを売る船具商(シップチャンドラー)。神戸市中央区の新港第一突堤の山本船具店の山本昭文社長(55)は「道がどこも込み合って、船の出港に間に合わすのが大変。最近の船は在港時間が短いし…」と苦笑いする。

 山本さんの店は震災で少し傾いたが、幸いライフラインが寸断されず、すぐ再開した。

 しかし、大阪や新潟などの港から注文があった商品を、車で現地まで運ぶのだが、大混雑の道路に阻まれ、出港に間に合わすのに四苦八苦。震災当初は混雑を避け、夜中に出発するなど二十四時間体制で働いたという。

 もう七カ月。最近になって神戸港も入港船が増えた。注文の数は震災前の半分近くにまで回復した。だが、急激な円高の影響で外国船の注文量が減り、さらに渋滞も解消されておらず、おひざ元の神戸港内ですら、運搬時間が計算できないのが実情。

 「船数が戻っていないせいか、港内のタグボート向けのロープの売れ行きが悪い。復興にはまだ長い時間がかかりそうですね」と山本さん。船具が語る復興見込みだ。

(掲載日:1995年8月19日)


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