神戸新聞
(掲載日:2002/01/11)

「住みにくくなった」3割 「下町」の喪失深刻

 阪神・淡路大震災から丸七年を前に、神戸新聞社は神戸市内の激甚被災地五地区の計千二百世帯を対象に「震災七年・被災者アンケート」を行った。被災地十八地区で実施され、最大の復興事業といえる土地区画整理事業は終盤に入ったが、まちはどう変わったのか―。事業地区の住民の回答は、「住みやすくなった」が約二割にとどまり、約三割が「住みにくくなった」とした。「住みにくくなった理由」は「近所付き合いが減った」などソフト面の不満が目立ち、コミュニティーの再生が大きな課題となっている現状が浮き彫りになった。

 自治体が事業主体の復興土地区画整理事業は現在、三地区が完了。残る十五地区の多くも大詰めを迎えている。

 調査は昨年十一月、区画整理事業地域の神戸市須磨区・千歳地区▽長田区・鷹取東第一地区▽灘区・六甲道北地区と、事業対象外の東灘区・深江地区▽長田区・野田北部地区の計五地区で郵送方式によって実施。千歳、深江両地区は、昨年までの定点調査を継続させた。四百三十一世帯が回答し、回収率は35・9%。

 対象とした事業地域のうち鷹取東第一地区は事業が完了し、他の二地区も終わりが近づいている。アンケート結果では、生まれ変わった(変わりつつある)まちについて「住みやすくなった」の回答は21・9%にとどまり、「住みにくくなった」の32・2%が上回った。「どちらともいえない」は45・9%。

 「住みやすくなった理由」(複数回答)では、「町並みがきれいになり、環境が良くなった」が七割近く、続いて「道路や公園が整備された」で、ハード面の整備を評価した。

 一方、「住みにくくなった理由」(同)では、四割前後の人が「近所付き合いが減った」「商店などが減った」「町並みが変わりなじめない」「住民同士の連帯感がなくなった」と回答。下町のコミュニティー喪失の深刻さを示す結果となった。

 また、事業の進め方については、65・6%が「問題があった」とし、「市の説明が不十分」「時間がかかりすぎる」などが問題点に挙げられた。

 

 ▽震災7年・被災者アンケート  神戸新聞社では、被災者の暮らしの実態、意識を探るため、震災2年の時点から毎年、神戸市内の激甚被災地のうち、東灘区・深江地区と、須磨区・千歳地区の2カ所で定点調査を実施してきた。
 震災7年を前にした今回は、調査地を従来の2地区のほか、灘区・六甲道駅北、長田区・鷹取東第一、同区・野田北部の3地区を加え計5地区とした。質問もこれまでの「暮らし」「仕事」「住まい」などの項目に、復興まちづくりに関する質問を加え、まちがどう変わり、住民が何を感じているかを調べた。
 区画整理事業地区のうち、鷹取東第一地区は既に事業が完了。六甲道駅北地区は仮換地指定率93%、千歳地区は同78%(いずれも昨年11月末現在)。また、同事業が実施されなかった深江、野田北部地区も、住民らによるまちづくり協議会がつくられ、街並み整備などに取り組んでいる。
 調査用紙は昨年11月、区画整理事業地区の各250世帯、それ以外の2地区の各225世帯に郵送で配布した。

 

 ・借地・借家人
 ・減歩・換地
 ・住民参加
 ・都市計画決定
 ・区画整理の進め方

 ・平山洋介・神戸大助教授に聞く

 

 ・行政に望むこと
 ・収入の変化
 ・まちの復興

 

 

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