死者203人 不明331人

  M7.2 県南部一帯を直撃

 17日午前5時46分頃、近畿地方で直下型とみられる地震があり、神戸と淡路島の洲本で震度6(烈震)を記録するなど、阪神間を中心に関西から東海、関東、九州までの広い範囲で強い揺れがあった。その後も奈良で震度4(中震)などの余震とみられる地震が続いている。神戸市や西宮市、淡路島など兵庫県を中心に、ビルなど建物多数が倒壊したほか、高速道路が崩れ落ち、各地で火災も発生。警察庁などによると、正午現在、死者203人、けが人711人、行方不明331人に上っている。神戸市内など阪神間で多数が生き埋めになっており、救出を急いでいる。死傷者は今後さらに増える見込み。



 民家、駅舎、各地で倒壊

  高速道、新幹線が崩落

 車を巻き込みながら橋桁が斜めに崩れ落ちた阪神高速道路。マンションの窓からはオレンジ色の炎が吹き出す。神戸市の生田神社は社殿が倒壊し、住宅街ではめちゃめちゃに壊れた家屋が無惨な姿をさらした。17日早朝、神戸市など近畿地方を直撃した震度6の烈震。「日本の都市は地震に強い」という通説はもろくも崩れ、都市直下型地震の恐怖を見せつけた。兵庫県警は午前9時頃「死者17人」と発表し たが、神戸市などの消防本部は「死者は相当数あると思われるが全くつかめない」「119番は鳴りっ放しだ」と混乱に悲鳴を上げた。
 震度6の烈震が神戸市内の早朝を引き裂いた。近畿一帯は地響きとともに突き上げるような振動が十数秒間続いた。17日朝、まだ暗い部屋で次々家具が倒れ、悲鳴が上がる。停電が不安を募らせる。
 崩れた阪神高速道の高架橋からトラックや乗用車が走行中に地上に落ちていく。V字型に崩れた跡。高速バスが前輪を外して、辛うじて崩壊部分の高架橋に引っ掛かっている。阪急伊丹駅は倒壊した。芦屋市内の各地で火事が起こる。兵庫・淡路島では民家の下敷きで多数の死者。近畿地方各地は市民生活や交通は完全まひになっている。
 神戸市の中心部の繁華街では雑居ビル二棟が完全に崩れ落ち、跡形もなくなった。道沿いにはこのほか、ぐしゃりとつぶれたビルや家屋が並ぶ。アスファルトには深い亀裂が続く。市内の数カ所で火災による真っ赤な火の手と煙が上がり、消防車や救急車がサイレンを鳴らし走り回る。
 また、神戸市東灘区の阪神電鉄では駅で電車が脱線、転覆し、高架線路も崩れ、駅近くで起きた火災の煙が付近を覆い、燃え上がる勢いだ。
 同市中央区の異人館近くのマンションでも住民が寝間着姿で飛び出し、無事を確認し合った。西宮市などでも停電や断水が発生し、あちこちで火事が起きた。



 救急車が足りない

 「けがをした方は、近くの車に乗せてもらって病院へ行ってください」―。震度6を記録した神戸市では、相次ぐ火災や家屋倒壊の通報に、市消防本部の救急車が足りず、市民の協力を呼びかけるのが精一杯。火災の消化も近所の住民が総出で手伝った。
神戸大病院救急部には、地震発生直後から、けが人が次々とかつぎ込まれ、廊下にまでけが人があふれた。
 同病院で少なくとも2人が死亡。救急部の担当者は「救急車で運ばれてくる人のほか、近所の人に助けられて運ばれてくるけが人もいる。重傷者も多い」と緊張した様子で話した。
 神戸市消防本部によると、長田区、兵庫区、東灘区など海岸沿いの市中心部で被害が大きく、死傷者も相当数に上がったが、通報が相次ぎ被害が集計できないという。
 西宮市でも、古い木造家屋を中心に倒壊が相次いだ。市消防局によると、火災は鎮火したものの、市内の病院はどこもけが人でいっぱい。けが人を乗せた救急車は、余裕のある病院を探しながら走った。