広範囲で液状化

  人工島につめ跡くっきり

 埋め立て地の宿命ともいえる軟弱地盤から、地震に対する弱さが心配されていた神戸・ポートアイラ ンドと六甲アイランド。住宅倒壊などが少なく、死者も少なかったが、対照的に周辺の貨物船埠頭など は陥没や亀裂など大きな被害が出、埋め立て地特有の”液状化現象”も見られた。
 ポートアイランド周辺に位置する貨物船埠頭などは深刻なダメージを受けた。護岸が至る所で波打ち 、陥没の跡がくっきり。昨年9月の関西国際空港の開港に合わせてオープンしたK―CAT(神戸航空 旅客ターミナル)は、海に面した東側の地表が岸壁の2、3m内側で、幅10m、深さ2m弱の陥没や、 幅1m前後の亀裂が相次ぎ、トレーラーやコンテナが落ち込んでいる。
 六甲アイランドでは、地表面が重油を流したように光って見える。島の中央部で、地震発生直後に広 範囲に液状化現象だ。埋め立てからまだ日の浅い島を激しく揺すった地震のすさまじさを示す爪あとだ った。



 天井が患者つぶす

 「あっ、地震だと思ったら天井が真っすぐ落ちてきた」―入院患者や看護婦ら44人が生き埋めになっ た神戸市立西市民病院。だるま落としですっぽり抜いてしまったように、5階がない。
 上部が5階をつぶしてしまい天井は高さ1mにまで落下、患者らは逃げる間もなく、わずかな隙間に 閉じこめられた。27人が救助されたもののがれきの中で、まだ約半数が救いの手を待っている。
 「ベッドの周りにさくがあったおかげで、頭を少し打っただけで助かった。命拾いしました」。 5階に入院していたある患者は、救出されたが、悪夢が覚めないような表情だった。
 しかし、現場は完全に停電。薄暗い中で神戸市消防局の救助隊が照明灯を掲げて救出路の確保に全力 を挙げているが作業は難航している。



 わが家焼失 ぼう然

  生き埋め、救出できず

 悪夢のような一夜が明けた。夜空を真っ赤に染め、一面が火の海となった神戸市長田区の被災現場。 地震発生から24時間以上たった18日朝、ようやく火の手が収まったものの、付近一帯は人家の跡かたも なく、がれきの山と化している。その合間にビルのコンクリートの残がいや真っ黒に焦げた電柱がポツ ンと立っている。まるで廃墟だ。小学校の体育館などで夜を明かした市民らが焼け跡に次々と戻ってき たが、変わり果てた自宅にぼう然と立ちつくしたままだ。
 「焼け跡にはまだ数人埋まっている」との情報が飛び交うが、消防や自衛隊の掘り起こしはまだ始ま っていない。