康子記者磯辺康子記者の見聞記

車がなくちゃ(6)無料の動脈・高速道路

 高速道路なしでは、アメリカの市民生活は成り立たない。

 日本では「ハイウエー」と「フリーウエー」が混同されることが多いが、「ハイウエー」は、州などの公的機関が運営する幹線道路全般 高速道路 を指し、信号や交差点もある。テレビドラマで有名になったルート66(シカゴ―ロサンゼルス)はそのひとつだ。

 「フリーウエー」のほうが日本でいう高速道路で、ほとんどが無料。ただし、「フリー」は「無料」ではなく「信号がない」という意味。片側五、六車線は珍しくなく、出入り口も頻繁にある。通勤、通学などの日常生活から大陸一周旅行まで、この道路のお世話になる。

 阪神大震災のちょうど一年前に起きたノースリッジ地震の際、ロサンゼルス市内のフリーウエーが倒壊した映像を見た人も多いだろう。国内で最も交通量の多いフリーウエーのひとつ、十号線が寸断された。あれから四年半以上がたち、「ここが高架の落ちた場所」と言われても、今ではまったく分からない。

 日本の高速道路と比べるとかなり広く、走りやすいが、工事や管理のいいかげんさからすると、倒壊したのも不思議ではない気がする。路面はガタガタで、時には穴ぼこもある。雨が降ると水たまりができ、危険極まりない。道路には、パンクしたタイヤなど大きな”落とし物”も多い。

 長年ロサンゼルスに住む日本人の友人は「日本じゃパンクなんて経験なかったけれど、ここじゃ、年に一回は必ずある」とぼやいていた。

 道路上の設備も、標識や電話など最低限。出口を降りた目の前のある小さな街のガソリンスタンドとハンバーガー店が、サービスエリア代わりだ。

 しかし、無料であることを考えればこれで十分。日本の高速道路なんて、高い通行料を取っておきながら、震災で完全に壊れたのだから…。

掲載日:1998/11/3


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