日々小論

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 安倍晋三首相が律義に着けている布マスクが、どんどん縮んでいくように見えるのは、洗って繰り返し使っているからだろうか。首相が新型コロナウイルス対策で布マスクの全戸配布を表明したのは4月1日。届き始めた地域もあるが、配達完了は6月中旬にずれ込むという。

 だから先週、政府の緊急経済対策は「空前絶後」で「世界最大」と豪語してはばからない首相の会見を見ていて、突っ込まずにはいられなかった。

 で、マスクはいつ届く?

 やっかいなのは、長く待たされている人だけでなく、届いた人々の不満も収まらないことだ。小さすぎる、いまさら遅い、税金の無駄、と散々である。

 報道各社の最新の世論調査で内閣支持率は落ち込んだ。意中の検察幹部の定年延長を法解釈を変更してまで進めようとした問題が響いたのは確かだが、それだけでは危機とも言えない。

 なにしろ、モリカケ疑惑に桜を見る会、相次ぐ閣僚の失態、安保法制の強行採決など、並の内閣なら持ちこたえられないような問題の数々を「指摘は当たらない」と受け流してきた政権だ。定年延長騒動もいずれ収まり、支持率もまた回復すると考えているかもしれない。

 だがマスク問題は違う。期待した人もそうでない人も自分ごととして憤り、ふと気づく。自ら言い出したマスク一つにてこずる政権は「1強」というほど強くもなく、責任を全うする力もないのでは、と。

 日本中が深刻なマスク不足に陥って4カ月余り。最近は店頭でも少しずつ手に入るようになった。だが、どこを探しても見つからず、どうしようもなく不安だった日々は忘れられない。

 小さく見えて案外、マスク問題の傷は深い。

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