日々小論

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 新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で、人気が再燃しているゲームがあるという。

 カチカチと鳴るルーレット、ドル札を模した紙幣…。懐かしがる人も多いのでは?

 そう、「人生ゲーム」です。

 ルーレットを回して駒を進めながら、億万長者を目指す。家族や友達と盤面を囲み、夢中になった古い記憶がよみがえる。

 販売元によると発祥は米国で、日本仕様は約40年前の発売以来、独自の進化を遂げた。世相を映したマス目の内容は新商品が出るたび話題に。会員制交流サイト(SNS)で影響を持つ「インフルエンサー」を目指す「令和版」も登場した。

 「懐かしい!」と盛り上がったのは、就職氷河期世代として取材した40代女性だ。大学卒業後、やむなく非正規の仕事を繰り返してきた。数年働いた今の勤務先で、4月にも正社員に登用される予定だったが、コロナによる業績不振で無効に。6月末で契約打ち切りになる可能性も出ている。

 「もし派遣をテーマにした人生ゲームが出るなら、ゴールは何でしょう。氷河期世代はずっと同じマス目にいる」。自嘲気味にこぼしていた。

 政府は昨年、この世代の正規雇用を3年間で30万人増やすための支援を本格化した。だが、状況は一変。コロナ関連の解雇や雇い止めは5月20日時点で約1万人に急増した。感染拡大が年末まで続けば、失業者が最大350万人以上増えるという推計(大和総研)もある。

 政府は雇用対策を打ち出すが、現状に対応が追いついていない印象だ。

 人生ゲームで使う紙幣が日本札でないのは、現実感を薄めるためだから、とか。不運が続くのはゲームの中だけでいい。

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