日々小論

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 どきっとするメールが先日、知人から届いた。

 「まるで神隠し。普段から忘れられがちな子どもたちは、非常時になるとさらに忘れられてしまうんですね…」

 彼女は最近まで関西にある「一時保護所」の職員だった。虐待や非行から子どもを守るための緊急避難施設だ。児童相談所に併設され、一定期間(最長2カ月)集団生活する。その後、児童養護施設に移るか、自宅に戻るかなど、処遇が決まる。

 コロナ禍では全国の学校が一斉休校し、友だちに会えない、勉強時間が足りない、外で遊べない、と大問題になった。

 「それって、一時保護所の子がずっと経験していることなんだけど」と、彼女は自嘲気味に話した。彼女のいた施設はすべての扉に鍵があり、出入りのたびに施錠した。勉強はプリントが中心。子どもの入れ替わりが激しく交友関係が安定しない。外出は自粛どころか、禁止だ。

 保護所にやってくる子どもたちは、身近な大人や社会の被害者なのに、見えない存在にさせられる。

 「施設は子どもを守るために必要。でも、外部の目が入らないから課題が改善されない。コロナがなくても、人権に目が行き届いていない場所があることを知ってほしい」と訴える。

 コロナ禍の影響で虐待のリスクが増しているとして、国は児童相談所の体制強化に補正予算を充てた。兵庫県も来春以降、児童相談所を2カ所増やし、神戸、明石市を含め9カ所体制にする計画が進む。パンク状態が続く一時保護所の増設も検討するという。彼女は願う。

 「今こそ、一時保護所にも光を」

 神隠しはてんぐの仕業。人間がすることではないはずだ。

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