日々小論

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 先週、ついに「アベノマスク」が自宅に届いた。これがうわさの…と眺めるうち、包装の隅のQRコードに気づいた。

 スマホでつながった厚生労働省のホームページを見ると、意外な発見が。追加注文ができるのだ。小中高校でも配布があるとは言え、2枚じゃ足りないという世帯も多いだろう。

 だが申し込むには、ホームページに連絡先を打ち込む必要がある。そもそもスマホがなかったり、操作が苦手だったりなどで、QRコードからこの情報を得られない人も多い。親切なのか不親切なのか、よくわからない対応だ。

 安倍晋三首相がマスクの全戸配布を発表したのは4月1日のこと。折しも新型コロナウイルスの感染が急拡大し、国民はマスク不足に直面していた。せめて4月中に届き、追加注文可能も広く知られれば、タイムリーな施策と言えただろう。

 だが2カ月を過ぎ、コンビニの店頭にもマスクが並ぶ今となっては、効果に疑問符がつく。

 マスクに加え雇用調整助成金や持続化給付金など、霞が関の各省庁はコロナ対策を相次いで打ち出した。しかし総じて国民に迅速に届かず、申請も煩雑だ。実務を民間に委ねても、「お役所仕事」に変わりない。

 複数の内閣で官房長官を務めた故後藤田正晴氏は、阪神・淡路大震災時に各省庁で対応にまずい点が多々あったことをこう評した。「役人は能力はある。しかし、気が利かないんだ」。

 それから四半世紀を経ても、霞が関の体質は大きく変わっていないことがガーゼのマスクに透けて見える。コロナ禍を契機として国民に「新しい生活様式」が求められるのなら、省庁にも「新しい行動様式」が必要ではないか。

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