日々小論

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 ○○は新型コロナウイルスの影響を受けていないのでお金を受け取るべきではない-。

 全国すべての人に一律10万円を配る国の「特別定額給付金」について、こうした意見をよく見聞きする。

 ○○に入る単語はさまざまで、国会議員、金持ち、年金受給者などなど。中でも断トツに多いのが公務員だ。本紙にも投書が寄せられた。

 「私の周囲には新型コロナで仕事を失った人が多くいる。公務員の正規職員は身分が保護され、給与が保証されている。給付金は辞退すべきだ」

 投書主の憤りや先行きへの不安は理解できる部分もある。けれど、その矛先が公務員に向いてしまうところに、社会に根強い「役人たたき」の風潮をいやが応でも感じる。

 このたびの給付金に関しては、全員が受け取って使い道を自分で決めればいいと思う。生活の足しにするのも、貯蓄に回すのも自由だ。だから自治体の首長が踏み絵のように職員に寄付を迫るのにも違和感がある。

 「あの人はもらうべきではない」と言い出すと、社会に無用な分断を招きかねない。コロナの影響で苦境にある人への支援は、10万円とは別にしっかりやるのが当然だろう。

 コロナ禍は、多くの公務労働者が社会を最前線で支えていることを再認識させた。同時に、「改革」の名の下に公務員がどんどん減って公共部門が細っている現状が浮き彫りになった。保健所の業務逼迫(ひっぱく)は人手不足によるところが大きい。

 日本は主要先進国の中で突出して公務員が少ない。「役人はぬくぬくしている」などと厳しい視線を送れば送るほど、非常時にもろい社会になっていく。そんな気がしてならない。

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