日々小論

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 思い返せば去年の今ごろは、「おもてなし力をアップして世界の皆さんに日本の素晴らしさを知ってもらいましょう!」という盛大な掛け声が、全国に響いていた。観光や宿泊、サービス業はもちろん、ボランティアを担う人、テレビ観戦組まで、東京五輪行き「挙国一致」の船に乗って(乗せられて)いた。

 それが新型コロナで一変。多くの人が休業を余儀なくされ、事業の資金繰りに困窮している。が、国の方面からは一向に大きな声が聞こえない。

 「おもてなし」の主力だったはずの業界には、特に冷たい。ライブハウスやカラオケ、夜の街…。コロナの集団感染が発生した場所を上から目線で突き放す政治家の物言いに、違和感を覚える。生の音楽や舞台に励まされたり、歓楽街で癒やされたりした経験がないかのようだ。

 と思えば、国に近い方々にはやさしい。給付事業の下請けをする実体不明の団体に、巨額の国費が支払われていた。追及の場になる国会は、補正予算を成立させたらさっさと閉会。逮捕された者も含めた国会議員に、300万円超えのボーナスがつい先日満額支給されている。

 五輪開催国として、外国人にも情報を分かりやすく! これはコロナ禍でも欠かせない視点だ。兵庫県内のとある自治体はホームページに「やさしい日本語」で支援策をまとめている。しかし、そこから案内される国の申請サイトには専門用語や漢字が満載…。残念なやさしさ。

 コロナに苦しむのは今や世界共通。同じ苦境だからこそ、リーダーの気質、政策の違いがはっきり見える。スポーツを通して多くの国を知るはずだった2020年夏。期せずして、世界と世界の中の日本の「実像」を深く知ることになっている。

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